Z世代の生態を紐解こう 第四回「TikTok」のバズは狙って起こせる?企業事例をご紹介

シリーズでお届けしている「Z世代の生態を紐解こう」。前回の記事では、Z世代ならではのSNSの活用方法やその行動規範について、食というテーマからお届けしました。
多くのZ世代にとって、SNSは生きるための必需品であると言っても過言ではないことが、ご理解いただけたのではないでしょうか。
そんなZ世代から圧倒的な支持を受け、全世界で爆発的にユーザー数を伸ばしたSNSと言えば「TikTok」。第四回は、昨年、TikTokでバズったことから一躍有名になった事例3つをご紹介します。
それぞれの動画に共通点はあるのでしょうか?

コロナ禍のTikTok効果といえばこれ!ペッパーランチ「ビーフペッパーライス」

コロナ禍で、おうちでペッパーライス再現が大ブームになったことをご存知の方も多いのではないでしょうか。TikTok Japan【公式】noteがペッパーランチの運営元である株式会社ホットパレットへ取材を行ったこちらの記事によれば、そのバズは、ヒカキンをはじめとする人気youtuberが再現したり、様々な地上波に取り上げられたりすることで、ブランド認知が飛躍的に向上したそうです。
現在、TikTokでの「#ペッパーランチ」の再生回数は2.1億回を超えています。
同記事によれば、このブーム以降、これまでの平均的な客層である20-30代の男性やファミリー層だけでなく、10代の学生や女性の来店が増えた感触があるそうです。TikTokから起こったバズにより、実店舗への来客層への変化が見られたことがわかります。
このブームを受けて、ペッパーランチは2021年6月にTikTokに公式アカウントを開設。1本目の投稿で、再生数は17万回を超え、100件以上のコメントが寄せられているそうです。
自然発生的に起きたバズをそのままにしておくことなく、上手く活用した例と言えるでしょう。

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高齢化が進むタクシー業界で新卒応募数増!三和交通「踊るタクシーおじさん」


2つ目にご紹介する事例は、「踊るタクシーおじさん」としてTikTokでバズった三和交通株式会社。
ULTR MAG.が同社に取材をしたこちらの記事によれば、動画の投稿は意図があって始めたそうです。動画内で、まるでTikTokerのように一際キレのあるダンスを踊っている同社の溝口部長は次のように語っています。

「タクシー業界は高齢化が進んでおり、私たちの会社もその例外ではありません。このままではいけないと思い、若者たちに少しでも三和交通の存在を知ってもらおうと、2013年にYouTubeとニコ生を始めたんです。」— 高齢化が進むタクシー業界で「若者の認知度」急上昇!元祖「おじさんTikToker」が語る、企業がバズる秘訣ULTR MAG. より

その後、YouTubeより手軽に投稿できるツールを探しているときに、若者の間のTikTokの流行を知り、軽い気持ちで始めたところ、初めての動画が予想以上にバズったそう。最終的に新卒応募数は増加し、採用費削減にも効果があったそうです。

TikTokで起きたバズは自然発生かもしれませんが、何年も前から採用課題の解決のために、自分達で若い世代を研究し、YouTubeへの投稿を始め、研究を重ねてきたことが実を結んだ結果と言えるのではないでしょうか。
TikTokなら、簡単にオリジナル動画を作成し、投稿後、すぐに視聴者の反応を見ることができるので、広告予算を大きく取れない企業にとっても勇気づけられる成功事例です。

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60億回再生!Simmons ハッシュタグチャレンジ「ステージダイビング」

Harvard Business Reviewのこちらの記事によると、150年の歴史を持つマットレスブランドであるSimmonsは、コロナ禍にハッシュタグチャレンジ「#snoozzzapalooza」を実施しました。このハッシュタグチャレンジは、ベッドをステージとして「ステージダイビング」するようにTikTokユーザーに促すというもの。
結果、100万人以上のTikTokユーザーがハッシュタグを使用して動画を作成し、再生回数は60億回以上を記録。ブランドサイトへのトラフィックは104%増加という驚異的な数字を残しました(2021年3月時点)。

動画を見るとZ世代だけでなく様々な世代がこのチャレンジに参加しています。TikTokで好まれる内容を投げかけることで上手にユーザーを巻き込み、Z世代が先導するTikTokのクリエイティブなユーザー生成コンテンツが大量に出来上がった好例と言えるでしょう。

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まとめ

これまで4回に渡りZ世代の生態を紐解いて来ました。
社会、経済的波乱の中で生まれ育ち、多様性が重要視される時代を生きるスマホネイティブであるZ世代。生まれた時に既にSNSが当たり前のように存在している彼らにとって、最も大切なのは「リアルさ」、そして、「世界観(エモさ)」。常時接続が当たり前だからこそ、繋がることへのストレスがありつつも、真の意味では満たされない孤独感があることもわかりました。
今回ご紹介した3つの成功事例は、意図的にバズを起こしたもの、ラッキーだったもの、事例ごとに背景はそれぞれです。しかし、共通点しているのは、Z世代のが求めるものを正しく反映した、「皆で楽しめるコミュニケーション手段としてのコンテンツ」であると言えるのではないでしょうか。
TikTokに投稿される様々なユーザー生成コンテンツのように、Z世代のアイデアやクリエイティビティが誘発されることで、多くのユーザーが参加して自然とバズが起こる——。
Z世代向けのマーケティング手法として、このような新しいプロモーションのスタイルが、これから益々主流になってくるでしょう。
しかし、「皆で楽しめる、リアルでエモいコンテンツ」を求めているのはZ世代だけなのでしょうか。コロナ禍以降、テレワークによる働き方改革が加速し自由になったと同時に、政治や経済情勢で多くの人が不安を抱える今のような時代においては、「人との繋がり」や「リアルさ」を求めるのは、全世代共通のことなのではないか、と私たちCrevoは考えています。
若い世代に寄り添い、その自由な発想やアイデアから、時代が求める新しいプロモーションのヒントを探し、視聴者を巻き込みファンにしていく。これからの企業やブランドに求められているマーケティングは、このような姿勢から作られていくべきかもしれません。

Z世代の生態を紐解こうシリーズ

第一回  Z世代が生まれ育った社会的背景とは?

第二回 巷で言われているZ世代の価値観は正しい?日本のZ世代にフォーカス!

第三回 Z世代ならではの「コト消費」。どんな行動規範に基づいている?

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