
「IRサイトを制作したいけれど、何から始めればいいのか分からない」「制作会社に外注する場合、どのくらいの費用がかかる?」「CMSは何を選べばいい?」と悩む企業担当者は少なくありません。
IRサイト制作を進める際は、費用だけでなく、制作の進め方・CMS・依頼先の選び方まで事前に整理しておくことが重要です。
この記事では、IRサイトの制作・リニューアルや外注を検討している企業担当者に向けて、IRサイト制作の費用相場から、制作会社への依頼の流れ、CMSの選び方、依頼先の比較ポイントまでをプロの視点で解説します。
IRサイト制作を始める前に整理しておきたいこと
IRサイトの制作をスムーズに進めるためには、制作会社を探す前に、自社が実現したいことを整理しておくことが大切です。
特に、以下の項目を事前に確認しておくと、制作会社との打ち合わせや見積もり比較がしやすくなります。
- サイトの目的:IR情報の整理、情報開示の強化、サイトリニューアルなど
- ターゲット:個人投資家、機関投資家、株主、海外投資家など
- 掲載情報:決算情報、IRニュース、株主総会資料、統合報告書など
- 更新体制:公開後に誰がどのように情報を更新するのか
- 公開時期:決算発表など、公開日に期限があるか
- 予算:制作費だけでなく、運用・保守費用も含めて検討する
これらを整理しておくことで、複数の制作会社から提案を受ける際にも、条件を比較しやすくなります。
IRサイト制作の費用相場は?規模・機能別に解説
IRサイト制作の費用は、サイトの規模やページ数、デザイン、CMS、機能、多言語対応の有無などによって大きく変わります。
以下はあくまで一般的な目安ですが、制作を検討する際の予算感として参考にしてください。
- 小規模:30万〜80万円程度。既存デザインの活用やCMS導入、簡易的な情報整理など。
- 中規模:80万〜200万円程度。オリジナルデザイン、多数のページ制作、多言語対応など。
- 大規模:200万〜500万円以上。大規模なリニューアル、複雑なCMS構築、動画コンテンツ、セキュリティ強化など。
実際の見積もりでは、ページ数だけでなく、要件定義やサイト設計、デザイン、CMS構築、コンテンツ移行、テスト、公開後の保守など、複数の工程が費用に影響します。
動画コンテンツを追加する場合は、Webサイト制作費とは別に企画・撮影・編集などの費用が発生する場合があります。動画撮影の料金相場も参考にすると、動画を含めた予算を検討しやすくなります。
IRサイト制作の流れ|外注する場合の5ステップ
IRサイトを制作会社に外注する場合、一般的には「要件整理→制作会社選定→設計・デザイン→CMS構築→公開」という流れで進みます。
発注前に全体の流れを把握しておくことで、制作会社との認識違いやスケジュール上のトラブルを防ぎやすくなります。
ステップ1:目的・要件を整理する
まず、自社のIRサイトで解決したい課題や、実現したいことを整理します。
例えば、「IR情報を探しやすくしたい」「スマートフォンから閲覧しやすくしたい」「更新作業を効率化したい」「海外投資家向けに多言語化したい」などです。
すべての要件が固まっていなくても問題ありません。制作会社への相談を通じて整理することもできます。
公開時期・予算・必要な機能・既存サイトからの移行範囲など、決まっている条件は早めに共有しましょう。
ステップ2:制作会社・サービスを比較する
要件を整理したら、複数の制作会社やサービスを比較します。
価格だけで判断するのではなく、IRサイトの制作実績、CMSの対応範囲、更新サポート、セキュリティ対策、公開後の保守体制などを確認することが重要です。
特に、IRサイトは公開後も決算情報やIRニュースなどの更新が続くため、制作後の運用まで考えて依頼先を選ぶことがポイントです。
制作会社選びで迷った場合は、制作会社の選び方も参考にしてください。
ステップ3:サイト構成・デザインを決める
依頼先が決まったら、サイトマップやページ構成を整理し、デザインを制作します。
IRサイトでは、見た目の印象だけでなく、必要な情報を短時間で見つけられることが重要です。
決算情報、IRニュース、株式情報、株主総会関連資料など、投資家が頻繁に確認する情報への導線を整理し、目的のページへ迷わず到達できる構成を検討します。
動画コンテンツなどを掲載する場合も、この段階でどこに配置するかを決めておくと、制作後の修正を抑えやすくなります。動画の情報設計については、構成案(絵コンテ)の作り方も参考になります。
ステップ4:CMS実装・システム構築を行う
デザインが決まったら、CMSの実装や必要なシステム構築を行います。
IRサイトでは公開後の更新が頻繁に発生するため、担当者が無理なく情報を追加・変更できる仕組みを構築することが重要です。
ユーザー権限の設定・セキュリティ対策・バックアップ・誤操作を防ぐ仕組みなども、この段階で確認しておきましょう。
ステップ5:コンテンツを移行・入稿して公開する
CMSやシステムの構築が完了したら、実際の文章や決算資料などを入稿し、表示やリンクを確認します。
特にIRサイトでは、数字や日付、資料へのリンクなどに誤りがないか、複数人で確認できる体制を整えておくことが重要です。
決算発表など公開日が決まっている場合は、公開日から逆算して余裕のあるスケジュールを組みましょう。制作期間の目安も参考にしながら、早めに制作会社へ相談することをおすすめします。
IRサイトに適したCMSの選び方
CMS(コンテンツ管理システム)は、公開後のIR情報やニュースなどを更新するための重要な仕組みです。
CMSを選ぶ際は、「導入できるか」だけではなく、実際に社内で継続して運用できるかという視点で比較しましょう。
更新のしやすさ
決算情報やIRニュースなど、更新頻度が高い情報を担当者が簡単に登録できるか確認します。
専門的な知識がなくても更新できるCMSであれば、日々の運用負担を軽減できます。
権限管理・セキュリティ
複数の担当者が更新する場合は、ユーザーごとに編集権限を設定できるか確認しましょう。
また、CMS本体やプラグインなどのアップデート、バックアップ、脆弱性への対応など、公開後のセキュリティ体制も重要です。
多言語対応
海外投資家への情報発信を想定している場合は、多言語サイトを構築・運用できるCMSかどうかも確認します。
日本語版と英語版で情報を更新する場合は、それぞれの更新状況を管理しやすい仕組みを選ぶことが重要です。
既存サイトからの移行性
リニューアルの場合は、現在利用しているサイトやCMSからどの程度スムーズに情報を移行できるかも確認しておきましょう。
既存ページやPDF資料、IRニュースなどの移行量によっては、制作期間や費用が大きく変わる場合があります。
IRサイト制作はどこに依頼する?4つの選択肢を比較
IRサイト制作の依頼先には、社内での内製、既存CMSのカスタマイズ、IRに特化した制作会社、総合制作会社などがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、社内のリソースや必要な機能、予算などを踏まえて選択することが重要です。
| 依頼先タイプ | 費用相場 | 更新のしやすさ | IR専門性 | 対応スピード | セキュリティ対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| 内製構築 | 10万〜50万円程度 | △ | △ | ○ | △ |
| 既存CMSカスタマイズ | 30万〜100万円程度 | ○ | △ | ○ | ○ |
| IR専門制作会社への外注 | 100万〜300万円程度 | ○ | ◎ | △ | ◎ |
| 総合制作会社への外注 | 50万〜250万円程度 | ○ | ○ | ○ | ○ |
内製構築
社内にWeb制作やシステム開発の知識を持つ担当者がいる場合は、内製で構築する方法もあります。
外注費を抑えやすい一方、IRサイト特有の要件やセキュリティ、公開後の保守まで社内で対応する必要があります。
既存CMSのカスタマイズ
すでにCMSを導入している企業であれば、既存システムを活用してIRサイトを構築する方法もあります。
新しいシステムを一から導入する必要がないため、コストや制作期間を抑えられる場合があります。ただし、既存CMSが必要な機能に対応できるか事前に確認することが重要です。
IR専門制作会社への外注
IRサイトの制作実績が豊富な制作会社に依頼する方法です。
IR特有の情報設計や開示情報の扱い、運用体制などについて相談しやすいことがメリットです。
専門性が高い分、費用が高くなる場合もあるため、複数社から提案や見積もりを取得して比較するとよいでしょう。
総合制作会社への外注
Webサイト全体の企画・デザイン・システム構築などを幅広く依頼できるのが総合制作会社です。
IRサイトだけでなく、コーポレートサイトや採用サイトなど、企業のWebサイト全体をまとめてリニューアルしたい場合にも適しています。
IRサイト制作会社を選ぶ5つのポイント
制作会社を比較するときは、見積もり金額だけでなく、以下のポイントを確認しましょう。
1. IRサイトの制作実績があるか
一般的なWebサイトの制作実績だけでなく、IRサイトの制作・リニューアル実績があるか確認します。
実績を確認する際は、デザインだけでなく、CMS構築や情報設計、公開後の運用支援まで対応しているかを見ることが重要です。
2. 見積もりの内訳が明確か
「サイト制作一式」のような見積もりでは、何にいくらかかっているのか分かりにくくなります。
企画・設計、デザイン、コーディング、CMS、コンテンツ移行、テスト、保守など、項目ごとの費用が明確になっているか確認しましょう。
3. CMSの運用まで考えられているか
制作時だけでなく、公開後に社内担当者がどのように更新するのかまで考えたCMS設計になっているか確認します。
4. 公開後のサポート体制があるか
公開後にCMSの操作方法を確認したい場合や、システム上の問題が発生した場合に相談できる体制があるか確認しておくと安心です。
5. 決算発表などのスケジュールに対応できるか
IRサイトでは、決算発表など公開時期が決まっているケースがあります。
希望する公開日に間に合う制作体制があるか、制作開始から公開までのスケジュールを事前に確認しましょう。
IRサイト制作で失敗しないための注意点
- 要件を整理しないまま制作を始める:後からページや機能を追加すると、費用や納期に影響する可能性があります。
- 価格だけで制作会社を選ぶ:安さだけで判断せず、実績やCMS、サポート体制まで比較しましょう。
- 公開後の更新体制を決めていない:担当者や承認フローを事前に決めておくことが重要です。
- CMSの操作性を確認していない:実際に更新する担当者が使いやすいか、事前に確認しましょう。
- 公開日から逆算していない:決算発表などの予定がある場合は、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
特に重要なのは、「制作して終わり」ではなく、公開後の運用まで含めて依頼先を選ぶことです。
IRサイト制作に関するよくある質問
IRサイト制作にはどのくらいの費用がかかりますか?
サイトの規模やページ数、CMS、デザイン、機能、多言語対応などによって異なりますが、一般的には30万円程度から500万円以上まで幅があります。
正確な費用は要件によって変わるため、複数の制作会社に相談し、見積もりを比較することをおすすめします。
IRサイト制作にはどのくらいの期間がかかりますか?
規模によって異なりますが、目安として1ヶ月〜3ヶ月程度が一般的です。
大規模なリニューアルやCMSの新規構築、多言語対応などを含む場合は、さらに長期間必要になることがあります。
決算発表など公開時期が決まっている場合は、早めに制作会社へ相談しましょう。制作期間の目安も参考にしてください。
IRサイトのCMSは自社で運用できますか?
CMSの種類や社内の担当体制によって異なります。
更新頻度が高い場合は、担当者が専門知識なしでも操作しやすいCMSを選ぶことで、自社運用しやすくなります。
一方、セキュリティや権限管理などについては専門的な知識が必要になる場合もあるため、制作会社に運用方法まで相談すると安心です。
IRサイト制作は内製と外注のどちらがおすすめですか?
社内にWeb制作やシステム運用の専門知識があり、継続的な運用体制を確保できる場合は内製も選択肢になります。
一方、IRサイトの設計やCMS構築、セキュリティ、公開後の運用までまとめて対応したい場合は、制作会社への外注が適しています。
自社のリソースと必要な専門性を比較して判断しましょう。
IRサイト制作会社には何を伝えればいいですか?
現在のサイトの課題、リニューアルしたい理由、掲載したい情報、希望する公開時期、予算、CMSに関する希望などを伝えると、具体的な提案を受けやすくなります。
まだ要件が固まっていない場合でも、現状の課題を共有し、相談しながら整理していくことが可能です。
まとめ|IRサイト制作は費用だけでなく依頼先と運用まで比較しよう
IRサイト制作を検討する際は、単純に制作費用の安さだけで判断するのではなく、制作内容・CMS・依頼先・公開後の運用まで含めて比較することが重要です。
費用相場はサイトの規模や機能によって大きく異なり、30万円程度の小規模な制作から、500万円以上の大規模なリニューアルまで幅があります。
また、外注する場合は、IR専門制作会社や総合制作会社など、それぞれの得意分野を比較し、自社の目的や社内リソースに合った依頼先を選びましょう。
特に、決算情報やIRニュースなどを継続的に更新する必要があるため、公開後の運用を見据えたCMS選びと制作会社選びが重要です。
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