前回の記事では、日本のZ世代の6つの特徴についてフォーカスしました。
日本のZ世代は、人目を気にするが、一方で、時代や流行に囚われず、個々の価値観による“エモさ”を大切にしたい。スマホの出現により繋がることへのストレスがありつつ、同時に孤独感を抱える、などの重要な特徴がわかりました。
それでは、実際のところZ世代はどのような活動を楽しんでいるのか、また、その中で、どのようにSNSが絡んでいるのか—。
今回の記事では、SHIBUYA109 lab.とCCCマーケティングが共同で行ったZ世代の食に関する意識調査(対象:15〜24歳の女性)から、彼らの行動規範に迫ってみたいと思います。
物質から体験価値へのシフトを実感。食を「コト」化して楽しむ「エンタメ食」とは?
同調査によれば、Z世代が自由に使えるお金のうち、最も高い割合を占めているのが食費であるということがわかりました。
興味深いのは、そのうち40%をエンタメ食( 普段の生活のための食事ではなく、カフェやお菓子など”楽しむための食事”)が占めているという点です。
食において重視している価値観については、「食を楽しむには空間も大事だ(64.6%)」が最も高いことがわかりました。
SHIBUYA109 lab. / CCCマーケティングによる「Z世代の食に関する意識調査」より転載
では、具体的にどのように空間を楽しんでいるのか。同調査のグループインタビューで聞かれた声は以下の通りです。
「InstagramやTikTokなどのSNSでお店の雰囲気を確認し、そのお店の雰囲気に合うファッションを友達と相談してコーデを決めている。友達とファッションの系統をそろえる方が仲良く見えるし、お店の空間にも馴染む。写真を撮る時も空間全体を撮るようにしている。」「友達と”おしゃピク”(おしゃれピクニック)をした時は、公園の雰囲気に合わせて、ワンピースに麦わら帽子で友達とコーデを揃えて楽しんだ。」
ファッションを仲間と事前に相談し、自分たちも空間に溶け込もうとしていることがわかります。
エンタメ食において重視する点についての質問では、「おいしいこと(73.6%)」に続き、「自分が楽しめる(68.5%)」、「友達や恋人と楽しめる(57.3%)」、「気分転換になる(54.6%)」という結果に。
また、62.6%がエンタメ食をSNSに投稿するということもわかりました。
SHIBUYA109 lab. / CCCマーケティングによる「Z世代の食に関する意識調査」より転載
SNS投稿の一位は、24時間経過すれば消えてしまうinstagramのストーリー投稿。
個性は主張したい、しかし、炎上は避けたいというZ世代の特徴がSNSの投稿方法にもあらわれています。
まとめ
食を通じてSNSで事前調査をし、友人とコミュニケーションを取り、空間と仲間とコーデを合わせ、当日の時間を楽しむ。そして、その様子をSNSに投稿し、共有して楽しむ。
Z世代にとって、「エンタメ食はコミュニケーションツール」という位置付けだと同調査では述べています。
まさに、SNS投稿までをセットにしたコミュニケーションを楽しみながら、食を消費するスタイルは、Z世代らしい、新しい「コト消費」の形と言えます。
これからの企業やブランドがZ世代に受け入れられるためのキーは、エンタメ食の例のように、Z世代が、SNSを交えて仲間とコミュニケーションを楽しむ機会提供にあるのではないでしょうか。
次の記事では、どのようなSNSキャンペーンがZ世代に受け入れられたのか、バズった事例なども参照しながら紐解いていきたいと思います。
Z世代の生態を紐解こうシリーズ
第二回 巷で言われているZ世代の価値観は正しい?日本のZ世代にフォーカス!
第四回「TikTok」のバズは狙って起こせる?企業事例をご紹介
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