「テレビCMの効果は260%の収益増。動画広告は…」 オリックス生命が語る動画広告の効果
更新日2024年06月10日
公開日2014年12月08日
2014年9月17日、ad;tech INSIDERでオリックス生命の山本秀一氏とオムニバス社の三井浩子氏の対談形式で行われたセッション「実例!!WEBラストタッチ至上主義を超えて~動画広告はTVCMの補完になるか!?~」をもとに、動画広告とテレビCMの出稿に関して、どちらが優れているのか、どういう時にどちらを利用するべきなのか、検証していきます。
Ad tech tokyo 2014 Reports
登壇者
オリックス生命保険株式会社 オリックス生命保険株式会社 ダイレクト事業部長 山本秀一氏
株式会社オムニバス セールスDiv.シニアセールス 三井浩子氏
デジタルアドテクノロジーを扱う株式会社オムニバスの三井氏は、動画広告とテレビCMのもたらす認知について、株式会社マクロミルの行った調査をもとに、オリックス生命を例に挙げながら次のように話します。
「動画広告やテレビCMにも気になる点はあるかとは思うんですけども、実際、オリックス生命さんの認知度を聞いております。『サービス内容も含めて知っています』と回答した人は、テレビ&Web両方に接触したユーザーが最も多く、認知しているという風に出ています。
平均を見ると、その次は、テレビCMによる認知がくる場合が比較的多いです。ただ、オリックス生命さんの場合はWebにかなり注力されているというところがあるので、動画のみの接触者でもかなり認知度が高かったです」
オリックス生命の場合、サービスの認知度は両方接触しているユーザーが最も高く、次いでWeb動画のみ。3番目にテレビCMのみという結果が継続して出続けたといいます。また、サービスの企業名の認知についても以下のように語っています。
「『名前だけ知っている』という回答になると途端にテレビCMのみを見た方が多くなります。やはりテレビというのは記憶させる為とか、やっぱりマスのパワーが強いんだなというのが非常に印象的でした」
また三井氏は、広告による興味度についてもアンケートし、テレビCMとWeb動画広告の違いが見えてきていると話します。
「『とても興味がある』から『全く興味がない』まで、興味の引かれ具合の高さで比較すると、テレビCMは『とても興味がある』と『少し興味がある』が65.6%と高い。
ただ、『とても興味がある』に絞ると、動画広告の方が良い。動画の関心の深さというのをちょっと感じます。同時に、テレビの広さも感じました。これからは、どの程度コスト配分を変えると良いのかという検証もあると思っております。
予算、バランスともに検証の余地ありっていうのはあると思いますが、Web動画は地上波より印象を深く与えることができそうだという印象を持っています」
両者に得意分野が存在するという三井氏の主張に、現在テレビCMとWeb動画広告の両方で配信しているというオリックス生命・山本氏も同調しました。
「テレビの場合は、より広いターゲットに対して徐々に広がるという印象です。Web動画の方は、まずはコアになるターゲットから攻めていき、さらに伸ばしたいときはテレビでより広く打つみたいな使い分けなどが考えられます」
山本氏は、テレビによる増産効果(売り上げにどれだけ貢献をしているか)をオリックス生命のケースで計測してみたといいます。
彼によれば、今のところオリックス生命はテレビCMに1億円かけると、収益が2.6億円(260%)ぐらいの効果があるということがわかりました。
そして動画広告については、まだ未知数だと続けて語ります。
「動画の方はもう少し長く見なくてはいけないと思っています。動画を流し始めたばかりなので、恐らくまだ2.6億ほどはありません。商材が保険ですから、半年くらい見た上で最終的に効果がどうかというのを見ていきたいと思っています。まだまだ動画は工夫のしどころがいっぱいです」
ただ、CVRについては、テレビCMや動画広告のどちらが良いと判断できないケースもあると山本氏は言います。
「テレビに限らず、また動画に限らず、1件コンバージョンを獲得するために大体平均してこれくらいというのがあります。大体5万円とか6万円なんですけども、それをベンチマークしています。もしそれを上回ってくるならテレビCMをするより新聞広告を増やした方がいい」
三井氏によると、オリックス生命の場合もブリッジ(死亡保障)とキュアー(医療保障)で来訪者の性質が若干違ったり、資料請求をしている方と申し込みシミュレーションまで進む方とでは、ユーザーの目的が違います。
彼女はこうしたユーザーの目的・動機に対して訴求するものとして、サイト来訪者に応じた形で短い動画を数多く作れないか考えていると言います。
これが実現すると、さまざまな属性の方に直接、最適な広告で訴求を行うことができる上、動画広告をいわゆる刈り取りではなく育成や啓蒙としての働きを持つ広告にすることができるのです。
(編集:サムライト)
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