SaaS企業が動画を導入すべき理由とは?動画活用の制作実績を紹介
更新日2024年12月17日
公開日2019年08月08日
「動画マーケティング」というと、どんな活用シーンを思い浮かべますか。YouTube広告動画やテレビCMなどでBtoCビジネスの一般消費者向けのプロモーション動画は思い浮かぶけど、BtoBビジネス向けの動画はあまり思い浮かばないという方もいるかもしれません。しかしながら、顧客との継続的な接点のある法人向けのBtoBビジネスだからこそ動画が活用できるシーンは多くあります。今回の記事では、BtoBビジネスのひとつであるSaaS型サービスのマーケティングにおける動画活用に焦点を当て、事例を含めながら顧客との接点のフェーズ別に動画の活用方法を紹介します。
SaaS型サービスとは
そもそも、「SaaS」とは何でしょうか。SaaSとは、「Software as a Service」の略で、クラウド・コンピューティング(以下、クラウド)上で提供されるソフトウェアサービスを指し、「サース」と呼ばれています。ネット環境さえ整っていれば、いつでもどこでもアクセスすることができる便利なソフトウェアで、この「SaaS」を取り入れたのが今回の記事の重要な軸となる「SaaS型サービス」です。
SaaS型サービスに動画活用に向いている背景
そんな、SaaS型サービスにおいて、なぜ動画活用が向いているのでしょうか。ここでは、3つのポイントに絞って解説します。
形のない無形サービスである
SaaS型サービスはクラウドを活用した形のない無形サービスです。無形サービスであるため、文字や画像だけで魅力を訴求することには限界があります。一方、動画であれば、サービス内容を体系立ててわかりやすく説明することが可能だったり、実際の利用画面を盛り込んでサービス説明ができたりというメリットがあります。動画は形のない無形サービスの訴求を得意としており、SaaS型サービスもその対象となっています。
動画が視聴されやすい環境にある
SaaS型サービスは、動画が視聴されるうえで必要なネット環境を前提としています。そのため、視聴者側も動画視聴に対するハードルが低いことが考えられます。ネット環境がなくても成立するBtoBビジネスと比較すると、SaaS型サービスは動画活用に向いている環境であるといえます。
ユーザーと継続的な関係構築が必要
SaaS型サービスはサービスの特性上、衝動買いが起きづらく、導入ハードルが比較的高いといえます。そのため、導入までしっかりとサービスメリットを企業ユーザーに訴求する必要があります。そして、導入後も使い方説明だけでなく、途中解約を防止するためのユーザーフォローも必要となります。つまり、フェーズに応じたマーケティングが必要といえるのです。導入前から導入してからも継続的な関係構築が必要なため、それぞれの場面に応じて動画が活用できます。
SaaS企業に適したマーケティングには、以下のようなものがあります。
- デジタル広告
- サービス紹介
- テレビCM
- セミナー
- マニュアル
- 事例紹介
SaaS企業のマーケティングでは、ユーザーの認知、検討、獲得、利用といった段階ごとのアプローチが重要です。目的に合わせ、動画を用いたマーケティングをおこないましょう。
以下では、SaaS企業向けの6つの動画マーケティングについてそれぞれ解説します。
デジタル広告
デジタル広告は、デジタルサイネージやSNSへの掲載などを指し、商品の認知向上を目的とした動画マーケティングです。
街や駅、電車内のデジタルサイネージ、YouTubeやInstagram、TikTokといったSNSなど、ターゲットに合わせた場所や時間を狙って動画を流します。
デジタル広告のための動画では、商品の特徴を端的に伝え、視聴者の印象に残るようなインパクトがあると良いでしょう。
また、利用前のユーザーに商品を知ってもらうため、有効な利用シーンや企業の悩みについて触れる内容にすると、より視聴者に刺さりやすい広告になります。
サービス紹介
サービス紹介動画は、認知~検討の段階でユーザーにアプローチする際に有効な動画マーケティングです。
サービス紹介動画では、商品の概要、特徴、利用シーンなどをわかりやすく紹介し、テキストや静止画だけでは伝わりにくい魅力を視聴者に伝えます。
短めの動画で商品について伝えるサービス紹介動画は、主に商品の公式サイト、ランディングページ、自社のホームページなどに使用されます。
無形サービスの仕組みを視覚的にわかりやすく紹介、解説することで、導入を検討しているユーザーにあと一押しのきっかけを与えることもできるでしょう。
テレビCM
テレビCMは、より多くの人に商品について知ってもらうために使われる動画マーケティングの1つです。近年ではリモートワークや業務デジタル化の需要が急激に高まったため、企業向けSaaSのテレビCMも増えてきています。
テレビCMによる動画マーケティングは視聴者の認知段階で使えるマーケティング方法であるため、動画内容はわかりやすく簡潔であると良いでしょう。魅力や特徴、活用できる業務や職種をシンプルに伝える構成が求められます。
またテレビCM用に制作した動画はデジタル広告としてSNSやデジタルサイネージへの掲載にも使いまわせるため、費用対効果が高いことも特徴です。
セミナー
セミナーでの動画マーケティングは、検討~獲得段階のユーザーに有効なマーケティング方法です。商品に関連する知識やノウハウについてまとめた動画を用いてセミナーをおこない、ユーザーにとって有益な情報を提供します。
セミナー動画は、商品の導入を検討中のユーザーや情報収集をしているユーザーに対し、メールアドレス登録やオンラインセミナー動画の視聴を促すことで商品のユーザー獲得に繋げることがでます。
セミナー動画の視聴者は既に商品の概要について知っていることが前提となるため、より踏み込んだ商品解説などの情報を盛り込むと良いでしょう。
マニュアル
マニュアル動画は、獲得~利用段階のユーザーに向けた動画マーケティングです。操作方法、運用方法、有効活用のコツなど、商品を利用することが確定したユーザーに向けた内容で動画を構成します。
基本的な操作や継続的な利用方法といった内容を動画でまとめ、ユーザーの商品利用をサポートすることが主な目的です。
静止画やテキストでの説明はユーザーにとってわかりづらい部分も多いため、実際の操作画面などを取り入れたマニュアル動画があると商品への印象アップも期待できます。
継続的な利用を促すためにも、マニュアル動画を用意しておくと良いでしょう。
事例紹介
事例紹介動画は、検討段階のユーザーに向けた動画マーケティングです。
実際に商品を導入している企業の成功事例を紹介しつつ、商品を導入するメリットについて伝えることでユーザーの購買意欲を煽り、契約まで持ち込むことが目的です。
事例紹介動画では主に顧客へインタビューをおこなって動画を制作します。
顧客インタビューはWebサイトなどで紹介されることが多いですが、語り手の表情や雰囲気がリアルに伝わるほうが推奨効果が高まるため、事例紹介を動画にするのはおすすめのマーケティング方法です。
一般的な事例はWebサイト記事として公開し、特に注目してほしい事例のみ動画にするなどして併用するのも良いでしょう。
動画利用シーンと制作実績を紹介
今回はSaaS型サービスを提供している世界のトップ企業から顧客との接点のフェーズに応じて、事例を厳選しました。
新規開拓向けのプロモーション動画
新規顧客に向けて、自社のサービスを知ってもらうためにはまずはプロモーションが必須となります。早速、動画事例を見てみましょう。
アドビ クリエイティブ クラウド「夢はより大きく」
Adobe Creative Cloud(アドビ クリエイティブ クラウド)(※以下、アドビ)のプロモーション動画「Dream Bigger(夢はより大きく)」です。クリエイター向けSaaS型サービスであるアドビならではの鮮やかな色使いが印象的な1本です。「創作活動はすべてここから始まる」というメッセージをロック調の軽快なBGMに乗せて訴求しています。動画の最後にはYouTubeのチャンネル登録や公式サイトへの誘導を行い、アドビに興味をもった視聴者が次に行動に移せるような演出がなされています。
潜在顧客向けのサービスの理解促進動画
サービスを知った後、すぐにサービスの導入にふみきる企業は決して多いとはいえません。SaaS型サービスを導入する場合、視聴者はサービスを理解したうえで、トライアル期間を経てから本導入を検討するケースが多いです。衝動買いが多い商材と比べると、導入までの検討期間が長いといえます。また、一見複雑に見えがちなSaaS型サービスは、文字や画像のみで説明すると、文章や画像の量が多くなってしまいがちですが、動画を活用すれば実際の操作画面を交えてコンパクトにサービスを紹介することができます。ここでは、サービスの理解促進を目的としたサービス紹介動画を紹介します。
セールスフォース・ドットコム「Salesforce Einsteinの世界」
出典:JPsfdc
Salesforce(セールスフォース・ドットコム)(※以下、セールスフォース)のサービス紹介動画「Salesforce Einsteinの世界」です。セールスフォースでは、CRM(Customer Relationship Management=顧客関係管理)やSFA(Sales Force Automation=営業支援システム)を中心としたサービスを提供しています。顧客データ活用を軸とするセールスフォースの提供サービスのひとつである「Saleforce Einstein」を実写映像とアニメーション動画を組み合わせて紹介しています。アニメーションを活用し、「Salesforce Einstein」の世界をセールスフォースのオリジナルキャラクターのEinstein(アインシュタイン)がガイド役となりいざないます。後半では、実際の操作画面にもふれることで、視聴者は導入をよりリアルに検討することができます。続きが気になる物語風のストーリーにすることで最後まで視聴者が見たくなるサービス紹介動画になっています。また、独自のキャラクターを活用することで他社との差別化にも貢献しています。
サービスの疑似体験も可能とするデモ動画
サービスの概要を理解すると、実際に自社でも使いこなせるのか操作画面を見たいと前向きになる潜在顧客も増えてきます。その際に、活躍するのがサービスの利用方法を説明した「デモ動画」です。SaaS型サービス企業でも多くが公式YouTubeチャンネルにデモ動画を掲載しています。デモ動画を通して、サービスの導入前に視聴者は疑似体験をすることができ、利用イメージをよりリアルにもつことができます。
導入を後押しするお客様の声・導入事例動画
実際のサービス利用イメージがつかめたところで、実際に自社でうまく役立てられるか不安の残る視聴者も少なくはありません。そこで参考になるのが、実際にサービスを導入した企業の「お客様の声」です。SaaS型サービスを提供する側でなく、活用している側の声はSaaS型サービス企業が必ずしも発信したい内容ではなく、リアルな声となるため、導入を検討している潜在顧客には新鮮に映り、信頼性も高いです。また、それらの声を開示しているという面でも、SaaS型サービス企業に対して信頼をもてるというメリットもあります。
サービスナウ「Symantec導入事例動画」
ServiceNow(サービスナウ)の導入事例動画です。サービスを導入しているサイバーセキュリティ企業「Symantec(シマンテック)」のお客様の声を紹介しています。サービスナウでは、業務効率化サービスを提供しています。事例動画では、シマンテックのCIO(最高情報責任者)のジョーダンさんのインタビューを軸にサービスナウがどのように自社に貢献したのか多くの社員の出演を盛り込みながら紹介しています。自然体で、生き生きと話す姿は文字と画像だけでは伝えきれないサービスの魅力をわかりやすく届けています。
サービス導入後の顧客サポートにつながるマニュアル動画
サービス導入後は、継続的に快適にサービスを顧客に利用いただけるように環境を整えることが必要となります。よくある質問に答える「マニュアル動画」は、顧客側にとってもSaaS型サービスを提供する側にも双方にメリットがあります。顧客側はサービスの使い方がわかりやすくなり、SaaS型サービスを提供する側は似た質問に対する顧客対応時間を削ることができるため、その分の時間や人員を他の業務にあてることができます。また、SaaS型サービスの場合は、形のある商品とは異なり、新機能が追加されたり、操作画面がアップデートしたりと導入当初と利用方法が変わることが大いに考えられます。そのような場合にはマニュアル本だけでは、サービスを網羅することができません。ここでは、実際のマニュアル動画をご紹介します。
サービスナウ「パフォーマンス分析」
出典:ServiceNow Support(※全て英語です)
本動画では、「パフォーマンス分析」にポイントを絞ったマニュアル動画になります。分析機能のそれぞれの項目の説明や見方を詳しく解説しています。また、サービスナウでは、既存顧客向けにサポートを目的としたマニュアル動画専用のYouTubeチャンネル「ServiceNow Support」を設けています。使い方に困った時に、顧客は参照することができ、顧客満足度の向上にもつながっています。
幅広い用途をカバーできる動画
ここまでSaaS型サービスを提供する企業の動画を紹介してきました。フェーズ毎に視聴者が求めているコンテンツは異なり、それぞれのニーズを満たすことが重要となります。SaaS型サービス以外のサービスにおいても、顧客コミュニケーションは継続的な関係作りの上で重要な要素となります。ぜひ、「動画」という形のコミュニケーションを頭の片すみに候補として入れていただけると筆者は嬉しく思います。
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VIDEO SQUAREを運営するCrevo(クレボ)では、数多くの動画制作・映像制作にたずさわっています。国内外約5,000名のクリエイターネットワークを活かし、ご依頼ごとに最適な専属チームを作ります。また、はじめての動画制作でも安心のサポート体制が整っています。動画制作・映像制作ご検討の方はぜひお問い合わせください!
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