テレビCMの終わりは近い?ターゲットにリーチできる動画広告配信とは

「テレビ離れ」が起きていると言われ始めてから久しいですが、その実態はどうなのでしょうか。

過去10年において、在京キー局5社の年度平均全日視聴率は下落が続き、テレビ広告収入もピーク時に比べると大きく減少しています。それでもなお、総広告費に占める割合が最も高いのはテレビ広告。まだまだ広告媒体として高い価値を保っています。

はたして、テレビCMは効くのか、効かないのか。様々な調査資料を元にテレビCMを取り巻く現状について整理してみます。

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若者はテレビを見ない!?

「テレビ離れ」は、特に若い世代において顕著であると言われています。

博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所が実施した「メディア定点調査2015」によると、10~20代は男女ともに、テレビよりもパソコンやスマートフォンなどへの接触時間が大きな割合を占めていました。

一方で、50~60代は、男女ともにテレビへの接触時間が長く、とりわけ、女性においては圧倒的な的な割合を占めています。

メディア定点調査2015

また、総務省が実施した「平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」においても、10~20代では、テレビのリアルタイム視聴よりもインターネットの利用時間の方が長く、50~60代は、テレビのリアルタイム視聴が圧倒的に長いという結果が出ています。

平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(平日)

平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(休日)
これらの調査結果から、若い世代ほど、テレビへの依存度が低いことが見て取れます。今のテレビを支えているユーザーは、高年齢層の比率が高まっており、若者の「テレビ離れ」は進んでいると認めざるを得ません。

若者にリーチするには

若い世代で「テレビ離れ」が進む中、映像ならではの訴求力で、この層にアプローチするにはどのような方法が考えられるのでしょうか。ここでも、いくつかの調査結果に着目して、若者の行動パターンを追いかけてみたいと思います。

NHK放送文化研究所が実施した「日本人とテレビ・2015」の調査結果によると、ここでも、若い世代におけるテレビ視聴時間の減少と、インターネットでの動画視聴の割合が増加していることが見て取れます。さらに、若い世代ほど、テレビよりもインターネットの動画を好む傾向が見られます。

インターネット動画視聴者
動画視聴行動

インターネットでの動画視聴については、全世代を通して、YouTubeへの接触率が圧倒的に高い割合を占めています。そんな中、10~20代の女性においては、ソーシャルメディア経由での動画視聴が高い割合を示すことにも着目すべきです。

 

週一回以上、接触している「動画メディア」について

 

週一回以上、接触している「動画メディア」について

週一回以上、接触している「動画メディア」について(スマホ媒体)

これらの調査結果から、若い世代にリーチするには、オンライン動画メディアを活用することの重要性が分かります。とりわけ、10代に対しては、スマートフォンからの視聴を、10~20代の女性に対しては、ソーシャルメディア経由の視聴を意識した広告配信を検討する必要があるでしょう。

テレビCMは効かない!?

こうした「テレビ離れ」が進む状況にあって、テレビCMはその効果を発揮することができなくなっているのでしょうか。

ニュースサイト「しらべぇ」の調査によると、およそ6割が「テレビCMをきっかけにした購入経験あり」と回答しています。とりわけ女性の方が男性に比べて割合が高い点には着目すべきです。

TVCMをきっかけに購入したことがある?TVCMをきっかけに商品を購入したことがある

また、近年、スマートフォンゲームアプリのテレビCMを目にする機会が増えています。MMD研究所が実施した「2015年 スマートフォンゲームアプリに関する定点調査」によると、アプリをダウンロードしたきっかけとしてテレビCMがスマートフォン広告を抜いて最も高い割合を占めるという結果が出ました。

スマートフォンゲームアプリをダウンロードしたきっかけ

以上を踏まえると、取り扱う商材やターゲットとなる購買層によっては、テレビCMの出稿が有効であると考えられます。

さらに、テレビCMと動画広告を組み合わせることで、より高い効果を得ることができたという複数の報告があります。こういった形態は、近年の潮流として見過ごすことのできないものです。

様々な分野の商材において有効な広告手法として、実施される機会がますます増えるはずです。

まとめ

テレビCMの現状を正確に捉えつつ、オンライン動画メディアやSNSも含めたメディア・プランニングが、これまで以上に重要となってきているのは間違いないでしょう。
(文=大西 晃)

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