新卒採用を目的とした動画では、社員インタビューの構成が就活生をひきつける重要なポイントのひとつになります。しかし、社員インタビューならどのようなものでも良いわけではなく、構成をしっかり練ることがポイントです。
この記事では、社員インタビューの構成や活用事例について紹介します。
社員インタビュー動画の構成アイデア
採用動画を作成する際に重要なのが、求職者が求める情報を取り入れることです。
どれだけ動画としてのクオリティが高くても、企業本位の一方的な情報発信だと採用効果は低くなります。社員インタビュー動画で求職者が知りたいリアルを提供しましょう。
採用ターゲットとのミスマッチを防ぐためにも、動画の構成をしっかりと固めておくことは重要です。社員インタビュー動画を作成する際のポイントは下記の通りです。
・企業のカルチャーやビジョンが伝わる
・社員の人柄や雰囲気が伝わる
・職場の様子がイメージしやすい
また、視聴者を飽きさせないためには、ドキュメンタリー風にしたり、たくさんの社員を出演させたりする構成が効果的です。
ドキュメンタリー風にする
採用動画にリアルさを演出する構成アイデアが、ドキュメンタリー動画です。
ひとり、あるいは複数の社員に密着して、働いている1日の様子を動画におさめます。リアルな様子を伝えるドキュメンタリー風の動画は、より学生の共感が得られやすいため注目の表現方法です。
一般的な採用動画だと、どうしてもネガティブな要素は伝えにくくなります。ドキュメンタリー風の社員インタビュー動画であれば、演出の一つとして取り入れやすくなります。
「こんな苦労があったが、このようにして乗り越えた」と本音を伝えてみるのも工夫の一つです。ネガティブな側面を伝えることで、視聴者の心にも刺さりやすく共感を得られます。
また、仕事のやりがいや内容などがより具体的にイメージできるようになるでしょう。
動画内では、職場の様子や他の社員の雰囲気も自然と映り込みます。リアルさを求めている求職者にとって、知りたい情報が詰まった内容になりやすいこともメリットです。
映像全体に動きをもたらすドキュメンタリー動画は、比較的長い映像でも飽きられずに最後まで見てもらえる可能性は高くなります。一方、注意したいのが制作スケジュールです。
たとえば、一つのプロジェクトを最初から最後まで密着する構成だと、長期間での撮影が必要となります。
たくさんの社員を出演させる
社員の人柄や雰囲気を伝えるために、たくさんの社員を出演させる構成アイデアです。
同じ企業に応募を考えていても、その属性や志望動機、希望部署は一人ひとり異なります。通常は採用動画での社員インタビューは数名程度ですが、あえて人数を増やすことでさまざまな部署や働き方や社員がいると伝えやすくなるのがメリットです。
部署や職種ごとに分けたり、性別も男女バランスよく選出したりしましょう。
新卒採用など若年層がターゲットであれば、若手の社員を出演させるのも効果的です。また、入社後すぐに接する機会の多い上司にあたる管理職のインタビューも、入社後のイメージが高まります。
たくさんの社員を出演させることで、会社の雰囲気が伝わりやすくなり、視聴者に与える情報量が多く、自社の魅力を知ってもらいやすくなります。
一方で、動画が長くなりやすいため、飽きさせない演出を取り入れることが大事です。
撮影場所はもちろんのこと、カットやアングルにもこだわる必要があります。オフィスの様子を自然に映す動画にしたり、シーン別にBGMを効果的に変えたりしましょう。
また、質問内容は部署・職種・キャリア別に用意することをおすすめします。出演者のエピソードを引き出せるように、事前にまとめて用意しておくことで撮影をスムーズに行うことができます。
座談会形式にする
社員インタビュー動画は、一人ひとりを紹介するスタイルが一般的です。
ただ、型にはまったインタビューだと、どうしても作られた感じの印象を受けてしまいます。社員の本音を引き出すのが難しい側面があるのも注意点の一つです。
座談会形式にすることで、以下のようなメリットがあります。
・現場の雰囲気が伝わりやすい
・社員の本音が聞ける
・よりリアリティを感じる
社員同士が会話する座談会は、普段の仲の良さやコミュニケーションの活発具合が伝わりやすくなります。また、台本が用意されていないため、「やりがい」や「苦悩」などの本音を引き出すのも容易です。周りに同僚がいることで社員たちが話しやすい状況が生まれ、ひとりのインタビュー動画よりもリラックスした社員の様子を映し出せます。
さまざまな話が聞ける座談会形式ですが、場面によっては言葉が聞き取りにくい部分も出てくるでしょう。視聴者がわかりやすいように、テロップを入れるなどの工夫が必要です。
ひとりの社員に長く話してもらう
社員インタビュー動画で複数人の出演があると、ひとり一人の時間が短くなります。
複数人の出演は、質問内容も簡易的になってしまいやすく、内容が浅くなることもあるため注意が必要です。求職者は働いている人のリアルな様子を求めています。そのため、あえて社員をひとりに絞り込んで長尺のインタビュー動画を作成する構成アイデアも検討してみましょう。
複数人よりも社員ひとりのほうが、視聴者側の注意が散漫になることの防止につながります。仕事内容にも深掘りができて、よりリアルな内容になるのもメリットです。
そのため、メッセージ性の強い動画になる可能性もあり、仕事の魅力をアピールしやすくなります。
一方で、ひとりだけの出演は映像が単調になってしまいがちです。インサートカットや別角度からの映像を入れるなど、視聴者を退屈させない工夫も同時に行う必要があります。
また、ひとりの社員をクローズアップさせるアイデアの一つとして、ストーリー性をもたせることも重要です。普段の業務内容はもちろんのこと、今後のキャリアアップも含めた構成演出にすると「求職者が働くイメージ」をしっかり湧かせることができます。
社員インタビュー動画の活用事例
社員インタビュー動画といっても、単にマイクに向かって話し続けるだけではなく、構成アイデア次第でさまざまな可能性が秘められているものです。ここでは社員インタビュー動画の活用事例を紹介します。
ドキュメンタリー風動画「株式会社テレビ新潟放送網」
出典:TeNY4ch
テレビ新潟の採用動画では、3人の若手社員のインタビューと実際に働いている姿をドキュメンタリー風に見せることで、仕事の内容ややりがいをリアルに感じられる内容になっています。
注目すべきは、働くことの大変さを前半部分で語ったあと、後半では仕事のやりがいや夢を語るという動画構成です。正直に仕事のつらさを伝えつつも、ポジティブな言葉で締めくくることで視聴者も最終的には前向きな感覚を得ることができます。
音楽も動画の流れや雰囲気に合致しており、全体的に共感を呼ぶ作りになっています。
座談会形式動画「株式会社コロプラ」
出典:コロプラベアーズ
コロプラの採用メッセージ動画では、社員の座談会形式で仕事に対する考え方やどのような達成感が得られるのかをリアルに伝えています。
導入部分がユニークで、セリフがない物語形式からはじまります。
動画内には「仕事を、遊ぼう」というメッセージが数回見られ、アピールしたいことを前面に打ち出しているのが注目点です。また、動きのあるテロップが強調したい言葉をより明確かつ印象深いものにしています。
メッセージ通り、動画では4人の社員の楽しそうな姿がしばしば見られ、和気あいあいとした雰囲気もストレートに表現されています。
採用インタビュー動画「株式会社TOKIUM」
出典:Crevo制作実績
「株式会社TOKIUM(トキウム)」は、100万人以上に利用されている支出管理(家計簿・経費精算・請求書)関連サービスを提供している会社です。
「時間革命で人類の体感寿命を延ばす」という企業理念のもと、さらに幅広い分野での時間効率の向上を目指し、利用者に豊かな時間を創ってもらうことを目標にしています。
利用者の時間の最大化を目指す「TOKIUM」は、新卒・中途採用向けの動画でインタビュー形式を採用しました。
インタビューの対象者は各部門の代表者です。それぞれの部門代表者が「TOKIUM」の企業理念のもと、仕事のやりがいや働く社員の想いなどをわかりやすく伝える内容になっています。
動画制作のポイントは、インタビューシーンと実際の仕事風景や社内で行われるコミュニケーションの場面を織り交ぜることで、社内の雰囲気をうまく伝えているところです。
部門代表者の方々が言葉で想いや理念を語り、それを実行している姿を映像で見せる。
これにより、求職者が実際に自分が「TOKIUM」で働いている姿をイメージしやすい作りになっています。
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社員インタビュー動画で失敗しないためのポイント
自社で社員インタビュー動画を制作するなら、効果的な動画を制作できることが理想です。とはいっても、SNSでの拡散効果を狙いすぎた動画内容などは、企業のイメージ低下にもつながります。将来的に活躍できる人材を確保するためにも、以下のポイントが重要になります。
・プライバシーは考慮する
・事前準備を徹底する
・視聴者を飽きさせない演出を取り入れる
・本音を伝える
ポイントを押さえたうえで、何よりも大事なのはターゲットを明確にすることです。職種や年齢層によって、求職者に訴求するポイントが異なります。社員インタビュー動画をはじめとした採用動画を制作する際は、誰に何を伝えるのかを明確にして制作を進めるようにしましょう。
プライバシーは考慮する
企業のリアルを盛り込むことで、求職者はより親近感を湧きやすくなりますが、社員の個人情報を晒すような内容は、モラル違反として企業イメージが低下しかねません。
特にプライバシーに関する質問をする際は、相手に配慮したものを用意しましょう。実名に関しても伏せてイニシャルにする、個人が特定できる内容は避けるなどの方法があります。
また、社員を無理やりインタビュー動画に出演させることも控えてください。「自社の社員だから」という理由で出演させれば、パワハラと判断される可能性があります。事前に社員から撮影の承諾を得るなどの対処をしましょう。
他にも、顧客情報や社内の機密情報などに関しては、慎重な取り扱いが求められます。撮影場所や周囲の会話などに配慮しながら、動画を制作することが大切です。
事前準備を徹底する
より求職者の心に刺さりやすいインタビュー動画にするためには、事前準備を徹底することが重要です。
インタビューする質問内容はもちろんのこと、出演する社員の仕事内容やキャリアなどを事前に調べておきましょう。何も準備なくぶっつけ本番で行うと、映像としてのクオリティが下がり採用動画としての効果が薄れる可能性が高くなります。
インタビューする側は台本や原稿を用意しておくと、撮影がスムーズに進みやすくなるためおすすめです。ただし、原稿を棒読みするだけにならないよう気をつけてください。質問する内容はインタビューする相手に伝えておくと安心です。
また、インタビューする側の人選も、動画の成果を左右します。インタビュアーとして向いているのは「相手の心をつかむのが上手な人」です。
慣れない撮影ではどうしても緊迫した雰囲気になりがちなため、その場を和ませられるような人を選定します。相手の人柄や考えを最大限に引き出すためにも、インタビュアーの選定は慎重に行いましょう。
視聴者を飽きさせない演出を取り入れる
長いインタビュー動画のメリットは、伝えたいことをしっかりと伝えられることです。
求職者に対して、特別な印象を深く残せます。ただし、単調になりすぎると途中で飽きられる可能性もあるため、演出を工夫して途中離脱を防ぐための工夫が欠かせません。
また、同じBGMを最初から最後まで使うことも飽きる原因となるため、できる限り避けましょう。
撮影場所・カット・カメラアングルにこだわるだけでも映像としての効果は高まります。インタビューを受けている人だけでなく、オフィスや会社全体の雰囲気を伝えられる動画を入れるのがおすすめです。
シーンごとに変えたり、効果音を付け加えたりすると視聴者の頭に入ってきやすくなります。
本音を伝える
多くの社員インタビュー動画を拝見すると、自社の魅力を伝えるために、ネガティブな要素を省いている動画を見かけます。しかし、求職者は華々しさばかりではなく、仕事のリアルさも求めています。ネガティブな部分も併せて正直に伝えることが重要です。
ネガティブな要素はマイナスに捉えられることもありますが、伝え方次第では求職者の心に刺さりやすくもなります。
社員インタビューでは「仕事の大変な部分」もあえて聞くようにしましょう。実際に仕事をするうえで苦労することや、それを乗り越えた経験は求職者が知りたい情報の一つです。本音を伝えることで、共感を持たれやすい動画になります。
1日の仕事スケジュールでは残業についても触れるのも効果的です。
実際どの程度残業が発生するのか、求職者がリアルな数字を知ることができますし、事前に分かることで、その残業を許容したうえで応募する求職者の割合が増えるためです。
また、仕事スケジュールに触れたうえで、自社の福利厚生をアピールすれば企業紹介にもつながります。あえて、ネガティブな要素を盛り込み、入社後のリアルな姿をイメージできる動画構成にすることも求職者へ正しく情報を伝えるために重要なポイントです。
社員インタビュー動画を活用するメリット
社員インタビュー動画を新卒採用に活用するメリットとして、入社後の仕事に対するイメージを就活生に持ってもらいやすい点が挙げられます。
職場の雰囲気やどのような人が働いているのかを動画を通して知ることができるため、就職を考えている学生にとっては有用な情報となります。入社前から会社の雰囲気をつかむことは、入社後のミスマッチを防ぐためにも大事な役割を果たすでしょう。
特に新卒採用の場合は、はじめて社会人になる就活生が対象となります。
社会人として働くことのイメージがすでにできている中途採用と異なり、基本的に学生は「働く」イメージを持ちづらい状態です。いかに具体的に仕事に対するイメージをリアルに持てるかは、新卒採用の成否を分ける重要な要素です。
社員インタビュー動画を活用するデメリット
社員インタビュー動画は、入社後の働き方をイメージしやすいコンテンツです。求職者へ訴求しやすい一方で、どれほどの効果があるのか気になると思います。採用活動を行ううえで動画の活用は必要不可欠になりつつありますが、注意すべきポイントもあります。
社員インタビュー動画を活用する4つのデメリットについて確認していきましょう。
抽象的な表現になる可能性がある
インタビュー動画に出演する社員は、良い部分ばかりを話す可能性があります。
あたりさわりのない抽象的な表現では、求職者に自社のリアルさを伝えるのは難しいでしょう。インタビューを受ける社員のほとんどが似たような表現を使いまわすかもしれません。
抽象的な表現が目立つことで、個性が伝わりにくく、視聴者に飽きが生まれてしまいます。
これらのデメリットを防ぐためにも、インタビューを受ける社員の本音を引き出すことが重要です。また、事前に「ネガティブな内容も積極的に発言してOKです」と通告すれば、撮影当日も話しやすい雰囲気を作ることができます。
採用サイトとインタビューでギャップが生まれてしまう
社員インタビュー動画で話した内容と採用サイトで打ち出しているメッセージなどが異なる可能性があります。
たとえば、採用サイトでは「チャレンジ精神で変革を推し進める」とあっても、インタビューでは「ゆったりとした社風です」と回答があればどうでしょうか。応募者を混乱させるだけでなく、企業としての信頼性を疑われかねません。
一貫性のない内容は、採用動画の効果を発揮できない可能性があります。
撮影前にコンセプトや質問の軸を決めて、インタビューを受ける側に共有しましょう。また、完成したものを採用サイトの内容と照らし合わせてギャップがないか確認することも大事です。
常に動画の更新が必要になる
採用サイトなどで、社員インタビューの内容が数年前のままになっていることがあります。
企業ホームページの更新は、ネット社会の現代において必須です。PRするために作成した社員インタビュー動画も、常に新しいものへと更新が必要になることは覚えておきましょう。もし情報が古いままだと「更新する余裕がないのでは?」と捉えられてしまう可能性もあります。
採用動画を作成したら、内容が古くなっていないか定期的なチェックが必要です。退職者が出ていたら、その都度更新を行うようにしてください。求職者はリアルを求めるからこそ、それに合わせた動画のブラッシュアップが大切です。
リアルに実感してもらえるインタビュー動画にしよう
社員インタビュー動画は、どうやって仕事の大変さや楽しさをよりリアルに実感してもらえるかがポイントとなります。
まだ働いたことのない学生の心をしっかりとつかむインタビュー動画を制作したいなら、インタビュー動画制作実績が豊富にあるプロに頼むのが近道です。
動画制作サービスのCrevoでも多くの新卒採用動画の制作を手がけているので、ぜひ一度相談してみましょう。優秀な新入社員の獲得は、今後の企業経営を大きく左右する重要な課題です。人を引き寄せる魅力のある動画を作り、会社の未来へと役立てていきましょう。
まとめ
企業の様子をリアルに伝えられる社員インタビュー動画は、自社の魅力を伝えるには最適なツールです。しかし、求職者が求めていない企業本位の内容では、採用動画のメリットを最大限に享受するのが難しくなってしまいます。
誰に向けて、何のために作る動画なのかを明確にした上で、リアルを実感してもらえるインタビュー動画にしましょう。
より効果的な動画にするなら、「どのような構成にするのか」が成果の鍵を握ります。かっこよさだけを追求するのではなく、自社の魅力が存分に伝わる内容を考えてみてください。
また、社員インタビュー動画で失敗しないためには、事前準備が何よりも大切です。質問内容をまとめた台本や原稿を用意して、撮影をスムーズに進めるための準備をしましょう。
採用動画の制作は「認知拡大」や「入社後のミスマッチ軽減」につながります。インタビュー動画がなぜ必要なのか、「目的」を明確にしたうえで制作会社に依頼をするようにしましょう。
幅広い表現を活用した動画制作・映像制作
動画制作の目的や課題、予算、コンセプトなどに合わせて最適な表現方法をご提案します。