動画マーケティング初心者必見、クリエイティブ開発で最初にすべきことはコレ!

記事の要点3● クリエイティブ開発を成功させるためには秘訣がある
● 設計図となるシンプルなクリエイティブ・ブリーフを作ること!
● 表現物によるマーケティング戦略実行に必須のツール

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2024/11/2812:00-13:00

表現物をつくる仕事としてのマーケティングコミュニケーション

マーケティングコミュニケーションに携わる仕事は、さまざまな表現物・コンテンツづくりを実施する仕事でもあります。いわゆる「クリエイティブ開発」といわれる領域の仕事です。そこでは、ブランドや企業のマーケティング課題解決に貢献する、役に立つ表現物をいかに作るかが問われます。それは動画であろうと平面広告であろうと、オリコミだろうと、イベント用のサンプリングツールであろうと変わりません。

しかし実際の業務においては、最終的になにか狙いがボケたものになってしまった、とか、悪くはないけどなんかちょっと想定とは違った成果物になってしまった、なんてことをよく聞きます。特にこれまで表現物づくりに関わったことがない、という方からすると、クリエイティブ開発の業務は面食らうことが多いもののようです。
こんな成果物を作りたい!と思っても、そこに至るまでのプロセスの中で、どうにもイメージに齟齬が生まれてしまう、ピンとくるものになかなかたどり着けない、けどうまい軌道修正ができない、ということが発生するためです。

表現物の精度を高めるための秘訣

確実に目的をかなえつつ、多くの人に届くコミュニケーションのコンテンツづくりには、実はひとつ秘訣があります。それは「しっかりとしたクリエイティブ・ブリーフをつくる」ことです。「クリエイティブ・ブリーフ」はマーケティング戦略やコミュニケーションの狙いを「画に描いた餅」に終わらせず、確実にパワーのある成果物とするためのツールです。発注側と受注側が制作物の目的、伝えるべきこと、残すべき印象、達成すべき指標がどのようなものかを意思共有し、制作進行時のさまざまな検討事項を考える上でのよりどころとすべき、いわば設計図であり設計思想の明文化です。

クリエイティブ・ブリーフとは?

「クリエイティブ・ブリーフ」などというと、なにか小難しいプレゼン資料を作るかのように思われるかもしれませんが、そういう事ではありません。その制作作業にかかわるすべての関係者が納得し、成果物に至るまでの作業のよりどころとできる「シンプルなまとめ」がその基本です。
たとえばTVCMの制作では、こんな項目でまとめられることが多いかと思います。

<項目例>
1.マーケティング上の目的・狙い
2.コミュニケーションがそこで果たす役割
3.ターゲットは誰か
4.ターゲットからいまどう思われているか
5.ターゲットから今後はどう思われたいか
6.訴えかけるべき感情・インサイト
7.ブランドがターゲットにもたらす便益もしくはメッセージ
8.メッセージが信じられる理由・根拠
9.トーン&マナー・表現上の留意点

このあたりの項目は、TVCMのクリエイティブ・ブリーフとしては多くの広告会社やマーケティング志向の強い広告主で共通項となっているかと思います。こういった内容が、クライアントの現場と上層部、制作サイドの責任者達としっかり高いレベルで共有できると、良い表現物が生まれる確度は飛躍的に高まります。なぜなら、「誰になにをどう伝えたくて、どういう成果をねらっているのか」「表現開発を進めていく上で必要な明確な根拠、判断基準」が関係者全員でシンプルに共有され、不要な議論や迷いをなくし、制作物の精度を高めるために力を注げようになるからです。

具体的にみてみましょう

ここでは参考として「有名栄養ドリンクブランドが新投入する女性向け商品」という仮想の商品を題材に、良い例と悪い例のクリエイティブ・ブリーフのサンプルと、そのポイントについて解説したものを示します。

クリエイティブブリーフのイメージクリエイティブ・ブリーフ見本例

(※タイトルをクリックすると拡大表示されます)

なおブリーフを作るときは、たたき台を一人で作ってみることも重要ですが、制作に関わる外部スタッフと一緒に検討してみることが、内容を研ぎ澄ましながら相互の理解を深めるためのプロセスとして意味を持つと思います。(制作サイドが真摯にこういった検討に向き合ってくれるかも重要な観点かもしれません)。

膨大な資料でなく、シンプルな一枚を!

さきにあげた項目と内容のイメージをご覧になって、「めんどくさ…」と思われたかもしれません。とくに表現物をつくる作業に慣れていない方はそう思われたかもしれません。ですがだからこそ、いまどんなものを作るべきなのかシンプルに捉えなおすために、ブリーフを書いてみることをお勧めします。また作ろうとしているものの内容に応じて、項目の部分から考えてみることが、より本質的なところから良いものを組み立てていくためのコツになるかと思っています。

いずれにせよ、膨大な資料であれもこれも、とディレクションするのではなく、あくまでシンプルに一枚の紙に、ほんとうに必要なことをまとめる、というのがクリエイティブ・ブリーフのポイントです。より詳細に説明したいことは、別添資料でいいのです。
一枚にコンパクトに集約するために、非常に脳が汗をかく作業になるかと思いますが、その汗に応じたアウトプットは出てくるものです。それは、コミュニケーションの足場となる戦略作りの楽しさと、そこから生まれるより精度の高い表現作りの楽しさ、この二つの楽しさにつながっていくはずです。そんな「楽しい」仕事としてのクリエイティブ開発をめざして、ぜひこのクリエイティブ・ブリーフを使いこなしてください!

松崎アイコン松崎充克

株式会社インテグレート ストラテジックデザインラボ プランニングディレクター

外資系広告会社、国内大手広告会社、ブランドコンサルティング会社を経由し現職。
グローバル巨大企業のコーポレートブランディングからローカルな通販企業のダイレクトマーケティングまで、多種多様なクライアントの幅広い領域のマーケティングコミュニケーション業務を経験。データから読み解く人間行動と、ターゲットインサイトに刺さるテクノロジー活用、それらの統合として戦略的なデザインワークの実践が直近のテーマ。

株式会社インテグレート:http://www.itgr.co.jp/

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執筆者

VIDEO SQUARE編集部
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