テレビCMの種類とスポットCMとタイムCMの違いについて

広告戦略の一つとしてテレビCMの出稿を検討する企業も少なくないでしょう。
総務省の調査によると、全世代のテレビ視聴(リアルタイム)の平均利用時間は163.2分です。

テレビCMはその特徴を活かして、宣伝効果による売上アップやブランドイメージの向上が期待できます。

近年では、デジタルシフト化が進んでおり、テレビCMからネット広告への切り替えを模索している企業も多いですが、それでもテレビCMの信頼度は高いままです。

テレビCMの出稿を検討する際は、種類によって特徴が異なります。それぞれの違いを理解すれば、自社のブランディングやプロモーションの動画制作に活かすことも可能です。

この記事では、テレビCMについて「違いや特徴を知りたい方」「テレビCM動画を検討されている方」向けに、テレビCMの特徴を詳しく解説します。

出典:総務省「令和3年版 情報通信白書のポイント

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テレビCMの特徴

テレビCMは、商品やサービスを多くの人にアプローチできる広告手法の一つです。近年はインターネット広告などのデジタルメディアが普及してきています。それでも「広告といえばテレビCM」とイメージする人もいるでしょう。

企業が広告戦略としてテレビCMを活用するメリットはさまざまです。世代や性別を問わず訴求できることはもちろんのこと、映像で伝えることで印象に残りやすくなります。
テレビで広告をすることによる、企業の信頼性を高める効果も期待できます。

また、番組内容や時間帯による視聴者層が明確になり、ターゲットのセグメントがしやすいこともメリットです。

テレビCMは「タイムCM」と「スポットCM」の2種類に分けられます。テレビCMを出稿する際には、これらの特徴や違いを正確に把握することが大切です。テレビCMの内容によって放送エリアや放送期間が異なるため、テレビCMの種類の選択をする必要があります。

ターゲットを狙って出稿しなければ、テレビCMの効果は得られません。ここでは、テレビCMの特徴としてタイムCMとスポットCMについて解説します。

タイムCMの特徴

タイムCMとは、企業が番組のスポンサーとなって放送時間内に流すCMのことです。CMを流したい番組と秒数を決めてCM枠を購入します。レギュラー番組は2クール(6ヶ月)での提供が原則であり、放送期間内は安定的にテレビCMを流せるのが特徴です。

提供エリアは全国放送の「ネットタイム」と、放送エリアが限られる「ローカルタイム」があります。ネットタイムは多くの視聴者に訴求できる一方で、値段は高額です。ローカルタイムは放送エリアが限定的ですが、ターゲットをより設定しやすくなります。

タイムCMの特徴
秒数単位30秒・60秒・90秒以上
提供表示 あり
契約期間 原則2クール(6ヶ月)
放送エリア ネットタイム(全国)orローカルタイム(各局エリア)
予算 2クール分固定予算
効果安定性・丁寧なメッセージ

視聴者のターゲットを絞り込める

タイムCMでは、テレビCMを流す番組を企業側が選定できます。
特定の視聴者に自社のCMを見てもらうためには最適な広告手法です。

テレビ番組は放送の時間帯や内容によって視聴者層が異なります。
自社が設定する商品やサービスのターゲット層とテレビ番組のターゲット層が一致することで、効果的な広告戦略が期待できるでしょう。

たとえば、食品会社が新商品のテレビCMを打つのなら、音楽番組よりも料理番組で放送するほうが効果的です。
ターゲットが明確になっていれば、テレビCMを流す番組を指定できるタイムCMのほうが有効といえます。

タイムCMは、レギュラー番組での配信であれば安定した視聴率が見込めることもメリットの一つです。定期的に同じテレビCMが流れていれば、視聴者の印象にも残りやすく、ターゲット層が合致することで、購買意欲がより高まります。

提供会社の予告がつく

タイムCMを実施した場合、原則としてスポンサー名が番組内で表示もしくはアナウンス告知されます。アナウンス告知とは、テレビCMへ移り変わる前などに「この番組は〇〇の提供でお送りします」と予告がつくことです。アナウンス告知がつくかどうかについては、以下のようにテレビCMの放送秒数によって変わります。

放送秒数画面表示音声対応
30秒社名(商品名) 「ご覧のスポンサーの提供で」とアナウンスされるだけで、社名(商品名)の告知はなし
60秒 マーク+社名(商品名)
カラーテロップ
社名(商品名)がアナウンス告知される
90秒 マーク+社名(商品名)+キャッチフレーズも可能
カラーテロップ
簡単なキャッチフレーズを含む社名(商品名)がアナウンス告知される

一つの番組を複数のスポンサーで提供する場合、テレビCMの放送量は少なくなりますが、提供会社の予告がつけば、広告効果も大きく期待できます。

提供クレジットで認知度を上げられる

認知度向上のためにテレビCMの活用は有効です。テレビCMの効果は数値化するのが難しいものの、視聴者の記憶に残りやすいメリットがあります。これに加えて、テレビ番組の提供クレジットに表示・アナウンス告知されれば、認知度拡大が期待できます。

番組内にロゴや社名を出せることもタイムCMのメリットです。視聴者に対して「この番組を提供しているのはこの企業なのか」とアピールできます。

一つの番組を単独で一社提供することも可能です。提供スポンサーが一社のみであれば、視聴者の印象にも強く残ります。番組中で流れるCMを独占することができるため、好感度のある人気番組のスポンサーであれば、提供価値も高くなります。

スポットCMの特徴

スポットCMとは、番組に関係なくテレビ局が指定した時間に流れるCMのことです。タイムCMのように提供表示はありませんが、柔軟な買い方ができます。契約期間だけでなく、放送エリア・出稿金額・オンエアの時間帯を自由に選べるのが特徴です。期間限定のキャンペーンに合わせて、集中的にテレビCMを打ちたいときなどに最適です。

スポットCMはさまざまな曜日や時間帯に放送され、幅広い世代に訴求できます。テレビCMを放送する時間帯を設定することで、ターゲットを絞り込むことも可能です。

スポットCMの特徴
秒数単位15秒~
提供表示なし
契約期間 設定自由(最低1週間)
放送エリア 各局エリア
予算 キャンペーンごと
効果安効性・認知率重視

スポットCMには、SB(ステブレ)とPT(ピーティー)の2種類のCM枠があります。それぞれの特徴について以下で確認していきましょう。

SB「station break(ステブレ)」

ステーションブレイクとは、番組と番組の間に流れるスポットCMのことです。英字では「station break」と表記され、省略して「SB」「ステブレ」と呼ばれます。

番組中には番組スポンサーのテレビCMを流し、番組と番組のブレイクタイムにはスポットのテレビCMが流れる仕組みです。たとえば、以下のような状態のことをいいます。

8時00分~8時55分:番組
8時56分~8時59分:ステーションブレイク
9時00分~9時55分:番組

ステーションブレイクはスポットCMとしての存在価値が高く、他の番組の番線やミニ番組が流されることも少なくありません。

長時間の番組であれば、番組中にもステーションブレイクがあります。「ここまでの放送はご覧の提供でお送りしました」「ここからの放送は〇〇の提供でお送りします」のように、提供スポンサーが切り替わるのが通例となっています。

PT「Participating commercial(ピーティー)」

パーティシペーションとは、番組中に設定されているCM枠のことです。英字では「Participating commercial」と表記され、省略して「PT」「ピーティー」と呼ばれます。

番組中は提供スポンサーのテレビCMが流れるのが基本です。ただし、番組の都合などでそれ以外のテレビCMも放送されることがあります。
通常のスポンサー枠とPTの違いは、提供クレジットの予告がつくかどうかです。番組スポンサーは「この番組は〇〇提供です」とクレジットがつきますが、PTのテレビCMにはつきません。

スポットCMは、個別の番組を企業側で選定できませんが、さまざまな枠に分散して露出できるのがメリットです。PTのテレビCMとして放送されれば、番組の低視聴率で広告効果が得られないデメリットを軽減できます。

タイムCMとスポットCMの違い

タイムCMとスポットCMの違いを表にまとめると以下のとおりです。

タイムCMの特徴スポットCMの特徴
秒数単位30秒・60秒・90秒以上 15秒~
提供表示 ありなし 
契約期間 原則2クール(6ヶ月)設定自由(最低1週間)
CM放送エリア ネットタイム:全国
ローカルタイム:各局エリア
各局エリア
予算 2クール分固定キャンペーンごと
メリット・効果・視聴者のターゲットを絞り込める
・提供会社の予告がつく
・ブランディング効果
・30秒以上のテレビCMが可能
・安定性・丁寧なメッセージ
・幅広い層へ訴求できる
・短期間で集中的に放送できる
・テレビCMを柔軟に買える
・さまざまな枠に分散できる
・即効性・認知率重視

では、どのように使い分ければ効果的なテレビCM戦略となるのでしょうか。

タイムCMは、長期間にわたって企業や自社の商品の認知度を高めていくことに向いています。ブランディング効果を求めるのであれば、タイムCMがおすすめです。

スポットCMは、番組を指定せず幅広い世代の人に見てもらえます。短期間でもテレビCMを流せることから、新商品やキャンペーンを訴求する際におすすめの手法です。

それぞれにメリット・デメリットがあり、しっかりと把握する必要があります。どれだけの予算を割り当てるのかはもちろんのこと、目的に応じて上手に使い分けていきましょう。

テレビCMとネット広告の違い

自社商品の宣伝や企業ブランディングの手法として、テレビCM以外にもネット広告の選択肢があります。両者の大きな違いは「ターゲットを絞れるかどうか」です。

テレビCMとネット広告の特徴を表にして比較してみましょう。

テレビCMネット広告
対応範囲時間や番組による 限定して選定可能
主なターゲット 不特定多数細かく限定できる 
効果測定 難しいリアルタイムで分析できる
コストまとまったコストがかかる最小コストは低い
審査 厳しい媒体による
宣伝方法動画
種類が豊富
ブランディング番組によって可能
難しい

テレビCMは番組内容や時間帯などで、おおまかなターゲットを絞り込めます。ネット広告では、ユーザーがどのような行動を取ったのかなどの分析が可能です。そのため、年代・性別・地域・興味・関心などに分けてターゲットを限定できます。

幅広い層にリーチできるのがテレビCMの特徴です。一方で、ネット広告は一定のユーザー層など、ピンポイントな配信に向いています。どちらの手法のほうが効果が大きいとは一概にはいえず、目的に応じた使い分けが大切です。

タイムCMとスポットCMの選び方

テレビCMのタイプは、大きく分けて「タイムCM」と「スポットCM」の2つです。商品の認知度拡大やブランディングを目的に、テレビCMを検討する企業は少なくありません。そのうえで、どちらを選べば良いのか迷っている人もいるのではないでしょうか。

まずは、先に紹介したそれぞれの特徴から判断する方法があります。
タイムCMは2クール分の放送が可能であり、ブランディング効果を目的にする企業におすすめです。

スポットCMは短期間での訴求に向いているキャンペーンを打つのに適しているでしょう。どちらもメリット・デメリットがあるため、しっかりと把握することが大切です。

次に、予算に合わせて選ぶ方法があります。CM放映料はさまざまな要素によって決定するのが基本です。
たとえば、タイムCMは提供する番組の視聴率も影響するため、視聴率が高いほど料金も跳ね上がります。
一方で、スポットCMはどのくらいの量を放送するのか決められる点がメリットです。柔軟な出稿が可能であり、予算に応じて調整できます。

それぞれの種類に向いている企業の特徴を以下で確認していきましょう。

タイムCMの選び方

企業が個別のテレビ番組のスポンサーとして放送できるのがタイムCMです。
特定の番組内で放送されることから、企業や商品の認知度・好感度アップにつながります。そのため自社商品をブランディングし、広く浸透させたい企業に向いています。

・旅行会社が旅番組へテレビCMを出稿
・玩具メーカーが子ども向け番組へテレビCMを出稿

企業が展開する商品のターゲットに合致した番組への出稿が可能です。レギュラー放送される番組であれば、同じ層の視聴者が見ている可能性は高まります。

同じ時間にテレビCMを流し自社商品をアピールし続けることで、視聴者からの認知度向上につなげられます。

また、全国ネットの番組枠とエリア別に放送される番組枠を選べることも特徴です。訴求したいターゲットを絞り込む場合も、タイムCMが向いています。

スポットCMの選び方

スポットCMは企業の予算に応じて、金額を決められるのが特徴です。テレビCMを放送する期間や時間帯も選べます。

タイムCMのように個別のテレビ番組を指定できるわけではありませんが、幅広い層へ訴求したい企業に向いています。

特定の季節を中心に販売される商品を取り扱う企業にもおすすめのCMです。
新生活向けのキッチン用品やインテリア雑貨・夏場のアウトドア商品・冬の鍋料理などが当てはまります。特定の時期で一気に認知度を獲得したい場合に最適です。

商品のターゲット層が不特定多数の場合も、スポットCMが向いています。食品やお茶・外食産業などの場合、幅広い層の視聴者への訴求が可能なスポットCMが向いています。

タイムCMはリーチできる層が番組の内容に依存するのに対して、スポットCMが流れる放送枠は視聴者の層が特定されません。より多くの層にテレビCMを見てもらえる機会があるといえます。

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テレビCMの動画制作・映像制作

テレビCM「SAS」の選び方

タイムCM・スポットCMともに、最低の契約期間が設定されています。料金もネット広告と比べると高額のため検討が必要です。そこで、第三のテレビCMとして注目されているのがSAS(スマート アド セールス)です。

SASの特徴は、15秒1本単位からテレビCMを購入できることにあります。具体的には、テレビCMを出稿する際に、以下の項目を企業側で選択可能です。

・放送日時
・番組
・本数
・金額

テレビCMを流すことでどのくらいの効果があるのか、疑問をお持ちの企業も多く見受けられますが、SASであれば、視聴関連データをもとに広告枠の検索と分析も可能です。

SASの1本あたりの料金について、SASはオープン価格となっています。
放送局や時間帯によって異なりますが、15秒1本あたりの料金が数万円のケースもあるほどです。過去の実績などに関係なく放送枠の購入が可能で、初心者でも購入しやすくなっています。

注意点として、SASは一部のテレビ局のみでの取り組みとなるため注意が必要です。今後取り扱うテレビ局が増えていく可能性もありますが、希望のテレビ局が対応していないこともあるため事前に確認しておきましょう。

テレビCM制作の費用について

テレビCMを流して認知度を上げたくても予算をどのくらい組めば良いのか分からない方も多いと思います。
では、テレビCMは具体的にどの程度の費用がかかるのでしょうか。

テレビCMを流すためには、動画を制作してテレビ局で放映してもらう必要があります。費用の内訳は「テレビCM制作料」と「CM放映料」の2つに分かれるのが一般的です。
それぞれに費用相場が異なり、その特徴を把握することが大切です。

ここでは、テレビCM制作料とCM放映料の費用について詳しく解説します。

テレビCM制作料

テレビCMを出稿するとなれば、当然ですが動画を制作する必要があります。自社で制作することは難しいため、制作会社に依頼するケースがほとんどです。テレビCM制作料でかかる項目と費用相場は以下のようになっています。

項目費用相場
企画構成3~15万円
制作ディレクション5~25万円
台本作成5~10万円
動画撮影 5~35万円
動画編集5~25万円
音響効果3~15万円
ナレーション3~10万円

表のとおり項目によって費用相場は異なります。テレビCMの目的に合わせて「どのような」テレビCMを制作するかによって費用は変動するので注意が必要です。

テレビCMに有名人やタレントを起用するケースもあり、出演料は誰をキャスティングするかで変わりますが、起用によっては1,000万円以上を支払うこともあると考えておくとよいでしょう。

テレビCMの目的や費用対効果を考慮しながら、どの程度のクオリティを追及するのか検討することが大切です。

1本のCMを制作する費用相場は、100〜5,000万円程度です。テレビCMを「どこで」「どうやって」撮影するのかで制作料は大きく変わってきます。

CM放映料

テレビCMの放映料は「テレビCMの種類」「テレビCMの放送局」「番組の視聴率」の3つの軸によって決まるのが特徴です。テレビCMの種類では、タイムCM・スポットCMのどちらにするかで費用が変わります。タイムCMは基本的に2クール分固定の費用であり、予算が限られている場合はスポットCMの選択がおすすめです。

次に、放送局による費用の違いです。どの放送局でテレビCMを流すのかで、CM放映料は変わってきます。以下の通り、関東と関西の放送局の費用相場を表にしています。

関東エリアの放送局

放送局名CM料金目安※15秒1本あたり
日本テレビ(地上波)30~100万円
TBSテレビ(地上波)30~100万円
フジテレビジョン(地上波)30~100万円
テレビ朝日(地上波) 30~100万円
テレビ東京(地上波)30~100万円
東京MXテレビ(独立局)2.5~4万円
テレビ神奈川(独立局)2.5~4万円
千葉テレビ(独立局) 2.5~4万円
テレビ埼玉(独立局)2.5~4万円
とちぎテレビ(独立局)2.5~4万円
群馬テレビ(独立局)2.5~4万円

関西エリアの放送局

放送局名CM料金目安※15秒1本あたり
読売テレビ(地上波)4~25万円
毎日放送(地上波)4~25万円
関西テレビ(地上波)4~25万円
朝日放送(地上波) 4~25万円
テレビ大阪(地上波)4~25万円
サンテレビ(独立局)1.5~4.5万円
KBS京都(独立局)1.5~4.5万円
びわ湖放送(独立局) 1.5~4.5万円
奈良テレビ(独立局)1.5~4.5万円
テレビ和歌山(独立局)1.5~4.5万円

参考:広告ダイレクト「テレビCM

同じ地域の放送局でも、費用に大きな差があることがわかります。
これは、放送局によって視聴者数や放送地域が異なることが関係しています。たとえば、東京のキー局であれば全国で視聴可能である分、CM放映料の費用相場も割高になるのが特徴です。

テレビCMの放映料は、番組の視聴率によっても変わってきます。視聴率1%につきCMの放映料が決まっています。視聴率の高い番組で流れるCMの放映料は高額です。

また、視聴率が同じ1%でも時間帯によってテレビCMの放映料は変動します。昼の時間帯よりも、ゴールデンタイム(19〜22時)のほうがテレビの視聴者数は多くなる場合がほとんどです。ゴールデンタイムで流れるテレビCMは、視聴数が多い分、放映料も高くなるため注意が必要です。

テレビCM動画を効果的に制作するコツ

ネット広告の存在は大きくなっていますが、テレビCMの影響力は今も強いままです。メディア露出が増えれば企業やサービスに対しての信頼性も高まるため、メリットの多い広告媒体といえます。

しかし、テレビCMは何気なく流されることも多いため、「思わず見てしまう」ような魅力を作ることが重要です。
商品やサービスのベネフィットをわかりやすく、インパクトを持って伝えるストーリーと映像を作りましょう。競合他社との差別化ができる表現をする必要があります。

より効果を高めるには、テレビCMの特徴を理解することが大切です。ここでは、テレビCM制作で重要なポイントを7つに分けて解説します。

CMルールを理解する

テレビCMを制作するうえで重要なのが、レギュレーションです。いくら「思わず見てしまう」ようなテレビCMを制作しても、審査に通らなければテレビで放送されません。

審査は企業・サービスを審査する「業態考査」、テレビCMの内容を審査する「CM考査」の2種類があります。CM考査では、日本民間放送連盟が定める放送基準を満たさなければなりません。細かく定められていますが、以下の5点を基準に作られています。

・正確で迅速な報道
・健全な娯楽
・教育・教養の進展
・児童および青少年に与える影響
・節度をまもり、真実を伝える広告

引用元:日本民間放送連盟「放送基準

他にも、各種法令や公正競争規約などに違反していないかが審査基準です。

CM映像内でも明確なルールが存在し、以下を守る必要があります。

・CM本編の開始時と終了時に、各3秒間ずつ程度の捨てカットを入れる
・捨てカットの前に、クレジットを12秒間入れる
・CM本編の開始時と終了時に、0.5秒間ずつ無音にする

これらのルールは制作会社との打ち合わせで教えてもらえます。しかし、テレビCM制作をスムーズに進めるためには、自社でもある程度のルールは理解しておきましょう。

参考:日テレ営業局 総合ポータルサイト「日テレ広告ガイド

ターゲットの設定方法

テレビCMを流す魅力は、幅広い層に訴求できることです。「自社商品を多くの人に知ってほしい」という目的を持ってCMを出稿する企業もいます。しかし、ターゲットが広いと伝えたいメッセージがあいまいになりかねません。

「誰に」「何を」伝えたいのかを明確にすることで、視聴者からの興味・関心を引き出せます。印象に残りやすいテレビCMにするためには、ターゲット設定が重要です。

たとえば、同じ化粧品でも20代向けや40代向けなどに分けられます。20代向けの化粧品を販売するなら、その層に人気のタレントを起用するなどの制作案が出てきます。

ターゲットの設定は、CMで「視聴者に魅力を訴求する」ために重要です。

伝えたいテーマを1つにする

テレビCMで伝えるメッセージは1つに絞ることも大切です。15〜30秒という短い時間で自社商品の魅力をすべて伝えようとしていませんか。情報量が多いテレビCMは視聴者の関心は薄れるどころか、「結局何が言いたいの?」と魅力が伝わりにくくなります。

広告媒体を活用して購買意欲を掻き立てるためには「インパクト」が重要です。一つひとつのテレビCMを真剣に見ている視聴者はほとんどいません。なんとなく見ているなかで印象に残るテレビCMにするためには、伝えたいメッセージを1つに絞り、ユーザーに印象付けることが必要です。

CMプランを決める

どのような形で視聴者に訴求するのか、CMプランを決めることも大切です。視聴者の目を引くためには、メッセージの伝え方が重要になってきます。同じテレビCMでも、アピール方法はさまざまです。大まかに以下の4つの手法に分類されます。

・商品直接型
宣伝したい商品やサービスをメインに、魅力や伝えたいメッセージを強調する手法。

・商品関節型
全体的にドラマ仕立てで商品やサービスは脇役として配置し、間接的にアピールする手法。

・理念直結型
企業の理念や伝えたいメッセージをストーリー構成で直接込める手法。

・理念間接型
一見何についてのCMか分からないストーリー構成で、最終的には企業の理念に着地する手法。

たとえば、食品会社のテレビCMは、商品直結型を利用することがほとんどです。
理念関節型はSNSでバズる可能性がある一方で、視聴者に何も伝わらないおそれもあります。他社の事例を参考にしながら、どの手法が自社の訴求に適しているのかを慎重に検討しましょう。

放映するCM枠を調査する

一概には言えないものの、ターゲットとなる年齢層によって視聴する番組の特徴が異なります。テレビにおけるターゲットの性別年齢区分は、以下の8つに分かれます。

名称特徴(視聴する番組の傾向)
C層:男女(4~12歳)
アニメ番組・クイズ番組・アイドルやお笑いタレント出演のバラエティ番組が人気
T層:男女(13~19歳)
音楽番組・お笑いタレント出演のバラエティ番組・ドラマ番組・子ども向けではないアニメ番組が人気
F1層:女性(20~34歳)
21時以降の時間帯を中心に、バラエティ番組・ニュース番組・スポーツ番組を好む傾向にある
M1層:男性(20~34歳)
 ドラマ・音楽番組・情報系のバラエティ番組・クイズ番組が人気
F2層:女性(35~49歳)
スポーツ番組の人気が高い。ニュース番組・映画・ドラマも好む傾向がある
M2層:男性(35~49歳)
ドラマ・ワイドショー・クイズバラエティなど、多様なジャンルを視聴する傾向がある
F3層:女性(50歳~)
スポーツ中継・時代劇・ニュース番組・早朝の情報番組が人気
M3層:男性(50歳~)
 ワイドショー・ドラマ・時代劇・ニュース番組などの比較的早い時間帯が好まれている

自社が設定したターゲットがどの番組を視聴する傾向にあるのかを把握しましょう。放映するCM枠を調査することで、テレビCMの効果も出やすくなります。

予算を決める

テレビCMは予算に応じてできる範囲が変わってきます。制作過程ではCMのクオリティや出演者、放映する際は放映時間やCMの長さなどです。広告出稿のための予算がどの程度割り当てられるのかを確認する必要があります。

予算が十分にあれば、自社が理想とするコンテンツに近づけることができますが、予算が限られている場合は、さまざまな要素から何を優先するのかを決めることが大切です。

必要な費用がネックとなって、テレビCMの制作に踏み切れない企業も多いため、品質を下げずに、費用を抑える方法を以下の通り紹介します。

・アニメーション動画を制作する
・動画の方向性を決めておく
・屋内での撮影に限定する
・ローカル局でテレビCMを流す

「テレビCMは高い」とイメージされがちですが、制作や放送の仕方によって費用は大きく変わります。予算と照らし合わせながら、効果的な方法で検討することが重要です。

制作会社と入念な打ち合わせをし提案をもらう

テレビCMで重要なのは、制作会社との入念な打ち合わせと企画・プランニングです。制作会社と打ち合わせする際は、以下のポイントをしっかりと話し合いましょう。

・目的:テレビCMを流す目的は何か
・アピール:テレビCMで何を伝えたいのか
・ターゲット:年齢や属性など、どんな人に届けたいのか

他にも、自社の特徴や業界での位置づけなどを制作会社に理解してもらえると、より効果的なコンテンツ制作が可能になります。
また、予算をある程度決めたうえで相談すると、制作会社からの提案もより具体的になるために重要なポイントです。

テレビCMを制作する過程で、自社のイメージと違ってくることもあります。制作会社からのアイデアが絶対に正しいとは限らず、自分たちの意見を伝えることも大切です。制作会社とのコミュニケーションをしっかりと図りながら、CM制作を進行するようにしましょう。

まとめ

テレビCMを検討する際は、タイムCMとスポットCMの特徴の把握が欠かせません。それぞれの違いを理解して、予算に合ったテレビCMの動画制作をするようにしましょう。

広告業界はデジタルシフトの影響で、ネット広告中心の時代に切り替わりつつあります。それでも、テレビCMはメディアとしての信頼度は高いままです。

新商品やサービスの広告を検討する際に、テレビCMとネット広告のどちらにするか迷うこともありますが、それぞれの特徴や違いを把握し、目的に応じて上手に使い分けてみてください。予算に余裕があれば、両方を組み合わせるのも戦略の一つです。

より効果をアップさせるには、専門知識が必要になります。テレビCMやネット広告の出稿を検討されている方は「Crevo(クレボ)」にご相談ください。

執筆者

VIDEOSQUARE編集部
VIDEOSQUARE編集部
VIDEOSQUAREは、「動画制作・映像制作」「動画マーケティング」「動画活用」「動画トレンド」などに関連したトピックを取り扱うオウンドメディアです。業界トップクラスである2,000社10,000件の動画制作実績から培ったノウハウとビジネス理解力で高い企画力を低価格で提供できる動画制作会社、「Crevo株式会社(クレボ)」が運営しています。

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