TikTok広告のメリットは?知っておきたい動画広告の種類と効果的な活用法
更新日2024年12月02日
公開日2021年12月01日
10~20代の若年層を中心に人気のある動画SNSといえば、「TikTok(ティックトック)」です。2021年8月時点でのアクティブユーザー数は950万人と多く、TikTokでマーケティングを行う企業も年々増えています。今、大変注目を浴びているSNSといえるでしょう。
この記事では、自社のマーケティング施策にTikTokを活用したいと考えている担当者に向けて、TikTokの特徴やTikTok動画広告の事例を紹介します。
また、TikTok広告用動画を制作する際のポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
TikTokとは
まずは、TikTokの特徴やマーケティングに活用すべき理由について解説します。
TikTokの特徴
TikTokは、2016年10月に中国でリリースされたスマホ向けの動画SNSアプリです。2017年8月から海外でのサービス提供も始まり、日本でもあっという間に大人気となりました。2018年の流行語大賞にもノミネートされたことでより知名度を増し、企業からの注目度も年々高まり続けています。
TikTokの人気の理由は、その手軽さと自由さです。誰でも簡単にBGMつき動画を制作することができるため、多くのユーザーが自ら作成した動画を投稿しています。
また、動画時間が短いこともTikTokの特徴です。TikTokの動画は多くが一本15秒程度の短尺で、次々と流れてくる動画を飽きずに見続けることができます。
TikTokの特徴として、大きく3つがあげられます。
TikTok3つの特徴
- UGCによる拡散ができる
- BGM付きの動画形式で訴求できる
- 広告がコンテンツとして成り立つ
3つの特徴について詳細に解説していきます。
UGCによる拡散ができる
UGCは「User Generated Content」の略でユーザー生成コンテンツのことです。
ユーザー生成コンテンツとは、ビジネス目的で企業が生み出したコンテンツではなく、ユーザーの任意で生み出されるもの。UGCの代表的なものにSNSに投稿した画像や動画、ツイート・商品レビューなどがあります。
TikTokでUGCが生まれやすい一例が「ハッシュタグチャレンジ」です。ハッシュタグチャレンジは企業が投稿の素材として歌やダンスの動画を用意し、ユーザーが動画でそれを真似たり、アレンジしたりすることで企業のPRに参加します。
動画は企業が用意したハッシュタグをつけて投稿されます。ユーザーがみずから積極的に
参加するので広告色を薄めることができ、自然な形で認知を拡大させることが可能です。
ユーザー側も自分のフォロワーに動画を通してアピールできるので、積極的に関連動画をシェアして拡散に協力してくれます。
BGM付きの動画形式で訴求できる
TikTokは他のSNSとは違い、BGM付きの動画形式で訴求できるというのが特徴です。
そもそも動画はテキストや画像とくらべて訴求力が高く、広告であっても映像なら最後まで見てもらえる可能性は高い傾向。動画形式はこれだけでも有利ですが、他のSNSの動画は基本的にBGMがないか、もしくはBGMを再生しないまま閲覧されるケースが多いです。
しかしTikTokの場合、動画にBGMはつきものというスタンスで再生されるので、映像だけで再生されることの多い他のSNSとくらべて訴求力が高くなります。BGMがある分、他のSNS広告とくらべて広告内容が記憶に残りやすいというのがメリットです。
TikTokはBGMありきの動画プラットフォームなので、アプリ内に動画のBGMとして仕様できる音源が用意されているのも大きな特徴です。
広告がコンテンツとして成り立つ
広告がコンテンツとしてユーザーに受け入れられやすいのもTikTokの大きな特徴です。商品やサービスをプロモーションするための動画であっても、ユーザーを満足させるクオリティであれば多くの関心が得られます。
多くの関心が得られれば当然、再生回数も多くなり、シェアされる回数も増えるでしょう。
また、TikTok広告は他のSNSとは違い、一般ユーザーの投稿と同じ形式で表示されます。一般ユーザーの投稿と投稿の間に広告を差し込む形で表示できるので、見たくなければ通常の動画のようにスワイプできるのです。
見たければそのまま閲覧し、見たくなければ通常の投稿と同様に飛ばして次の動画に進めるので、広告に過剰な嫌悪感を持たれることもありません。
広告動画であってもいいね!やコメントもつけられるので、より広告色を薄められます。
TikTokをマーケティングに活用すべき5つの理由
TikTokを活用すべき理由として5つあげられます。
TikTokを活用すべき5つの理由
- 動画が短時間なので気軽に見られる
- 使用できる楽曲が豊富
- フォロワー数が少なくてもバズる
- 若者世代にアプローチできる
- より幅広い年齢に広がりつつある
それぞれ解説していきます。
動画が短時間なので気軽に見られる
TikTokに表示される動画広告は短時間なので、ユーザーの目に留まりやすいのがメリット。起動時に全画面表示される起動画面広告は3〜5秒の表示、おすすめ投稿に表示されるインフィード広告は5〜15秒です。
YouTubeで動画を見ようとして、広告が30秒も流れることにイライラすることもあるでしょう。TikTokの広告は動画時間も短く、内容も凝縮されているため、視聴者の記憶に残りやすくなります。
使用できる楽曲が豊富
動画で使用できる曲数が豊富なこともTikTokをマーケティングで活用すべき理由の一つ。話題の楽曲をBGMとして使えるほか、エフェクトや倍速などの操作も可能です。自社の商品やサービスに合った曲を選べるのは大きな魅力でしょう。
また、TikTokではテンポの速い曲の人気が高い傾向にあり、BPM120以上の曲が推奨されています。必ずしもテンポの速い音楽をつける必要はないですが、視聴者のニーズに合わせながら動画制作に取り組むことが大事です。
フォロワー数が少なくてもバズる
TikTokはTwitterやInstagramなど、他の主要SNSとは異なる特徴的なアルゴリズムを採用しています。多くのSNSは、基本的にフォローしているユーザーの投稿が表示されることから、フォロワー数が少ない段階では拡散が難しいという特徴があります。
それに対しTikTokは、すべての動画が一定のユーザーに閲覧される仕組みとなっています。ユーザーの反応や視聴時間に応じて優れた動画であると判断されれば、さらに多くのユーザーに表示させることが可能です。
つまり、作成したばかりでフォロワー数が少ないアカウントでも、良いコンテンツを提供できれば爆発的に広まる可能性があるといえます。
若者世代にアプローチできる
TikTokのユーザーは、他のSNSに比べ若い世代が多いことも特徴です。Z世代とも呼ばれる24歳以下の世代は、オンライン上でのコミュニケーションに長けており、多くの情報をSNSを通して得ています。
MarkeZineの調査によると、Z世代のうち56.9%が1日1時間以上をTikTokに費やし、60.8%がYouTubeよりもTikTokで情報収集を行っています。このように、Z世代にアクセスするためにはTikTokを活用することが不可欠といえるでしょう。
より幅広い年齢に広がりつつある
Z世代以外にもTikTokの利用者層は広がっています。10代の利用者が多いとされていた流行当初に比べ、25歳以上のユーザー割合は15.4%増加したと発表されており、幅広い年齢をターゲットとしたマーケティングを行うことが可能です。
TikTok広告の違いと費用
TikTok広告は2018年10月より企業でのマーケティング向けに開始され、多くの企業が出稿しています。以下からは、全4種類のTikTok広告について特徴や費用を紹介します。
①起動画面広告
起動画面広告は、アプリ起動時に全画面で表示されるインパクトの大きい広告です。すべてのユーザーに必ず配信されるため、非常に高いリーチ数が期待できる点がメリットです。
ただし、1日1社限定であるため競争が激しく費用相場は500万円と、大変高額となっています。また、静止画を含む多くの形式に対応していますが、音声は再生されません。
②インフィード広告
TikTokのおすすめ投稿に配信できる広告です。一般ユーザーの投稿に紛れて配信されるため、広告色が薄くユーザーに不快感を与えづらい点がメリットです。
しかし、他の魅力的な投稿と同じように表示される分、ユーザーの興味を惹くことができなければすぐに遷移されてしまいます。
インフィード広告の中でも、広告が表示されるタイミングによって3種類に分けられます。
- Brand Premium:インフィード広告の中で最も一般的な広告です。
- One Day Max:おすすめ投稿の4番目に表示されるその日最初のインフィード広告です。指定の1日のみ配信できます。
- Top View:その日最初のおすすめ投稿に表示されるインフィード広告です。1日1社限定で、起動画面広告とは異なり音声つきの動画を配信することができます。
それぞれの費用相場は、以下のようになっています。One Day MaxやTop Viewは高い広告効果が期待できる分、費用もBrand Premiumと比べて高額です。
費用 | 詳細 | |
---|---|---|
Brand Premium | 42万円 | 一般的なインフィード広告 |
One Day Max | 300万円 | その日最初のインフィード広告。 おすすめ投稿の4番目に表示。 |
Top View | 625万円 | その日最初のおすすめ投稿に表示される インフィード広告。 |
③ハッシュタグチャレンジ広告
企業が決めたハッシュタグ(#〇〇)を使った投稿を促すユーザー参加型の広告です。インフィード広告と同様に広告感がないうえ、拡散力も高く自社を知らない多くのユーザーにリーチできる点がメリットです。
その分、費用相場は1000〜2000万円と、他の広告に比べ大変高額となっています。さらに、ユーザーが投稿したくなる魅力的なハッシュタグを作らなければ高い費用をかけてもあまり拡散されず、効果が下がってしまいます。
④ブランドエフェクト
企業がTikTokにおけるエフェクトを提供することができる広告です。エフェクトとは、ユーザーが投稿する動画に特殊効果をつけることができる機能です。
ハッシュタグチャレンジと同様、ユーザー参加型の広告であるため、自社を知らないユーザーにも多く拡散することができます。
TikTok広告のメリット
TikTok広告には次の5つのメリットがあります。
TikTok広告のメリット
- ユーザーからの広告に対する忌避感が小さい
- 全画面表示によるインパクトの大きさ
- ターゲティング精度の高さ
- 10~20代の若年層に届きやすい
- TwitterやInstagramなどSNSで拡散できる
以下、詳しく解説いたします。
ユーザーからの広告に対する忌避感が小さい
TikTok広告は、広告の閲覧をユーザーに強制されないことが特徴です。見たくなければその場でスワイプすることができ、広告を飛ばしてすぐに次の動画に移ることが可能です。
表示方法も一般投稿の中に自然な形で差し込めるので、広告と知らず閲覧されることもあります。
また、TikTokユーザーはおすすめ表示された動画をそのまま最後まで視聴する傾向が強いです。いわば「あまり興味がなくても一応視聴してみる」という知らない動画への前向きな捉え方ができあがっています。
これらのことから、TikTok広告はユーザーから過剰に忌避される可能性が低い広告であるといえます。
全画面表示によるインパクトの大きさ
TikTok広告はスマートフォンの画面いっぱいに表示することが可能です。他のSNS動画のようにページの一部に表示されるのではなく、縦長の全画面で表示できるのでユーザーに対して強いインパクトを与えられます。
当然ながら、表示できる画面が大きければ大きいほど広告の訴求力も大きくなります。そこにBGMによる音の演出も加わるので、他のSNS広告や一般的なWeb広告より記憶に残りやすいといえます。
TikTok広告のクリエイティブは、スマートフォンの縦長の画面に合うように表示領域を意識しながら制作することが重要です。
ターゲティング精度の高さ
TikTok広告はターゲティング精度が高いこともメリットです。TikTokのターゲティングでは以下のようなデータを用います。
- 性別・年齢・居住地域といったユーザーの基本情報
- 使っているデバイスの機種、Wi-Fiの有無
- 興味関心(ユーザーの好きなもの、いつも見ている動画のジャンルなど)
- 自社の顧客データから導き出したターゲティング情報
上記のデータをもとにして、特定のターゲットにピンポイントで広告配信が可能です。
またTikTok広告のターゲティングは、全自動でターゲティング配信もできます。
10~20代の若年層に届きやすい
TikTok広告は10~20代の若年層を対象とする商品やサービスの訴求に大きな効果を発揮します。
総務省の調査による令和3年度の報告書によれば、10代で62.4%、20代で46.5%が
TikTokを利用しています。その次は30代の23.5%と続くので、10~20代のユーザーが多い傾向といえます。
これらのことからTikTokは若年層の生活の一部となっており、結びつきも非常に強いといえます。若年層がメインターゲットの企業がTikTok広告を活用すれば、効率よく成果につなげられる可能性が高いです。
令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査 72P
TwitterやInstagramなどSNSで拡散できる
TikTokの動画はTwitterやInstagramといった他のSNSでもシェアすることが可能です。
TikTokユーザーだけでなく、他のSNSユーザーにとっても有益な動画を制作できたなら積極的に他のSNSにも投稿を行うことが重要です。
TwitterやInstagram、YouTubeなどに動画を投稿してそれぞれのプラットフォームにいるユーザーの興味を引くことができれば、より広く情報が拡散されます。TikTok以外のSNSユーザーに自社の存在や扱う商品・サービスを幅広く知ってもらえる機会を増やすことにつながります。
TikTok(ティックトック)広告の注意点
ユーザー数が増加しているTikTokはマーケティング領域においても見逃せない存在です。しかし、多くのメリットがある一方で、これから参入する企業は注意すべき点もあります。ここでは、TikTokを使用したプロモーションにおいての注意点を紹介します。
ユーザーが若者中心から20代~30代も増加
TikTokは10代の中高生をメインターゲットにしたSNSです。また、最近では20代〜30代の利用率も増加傾向にあります。
博報堂の調査によると、ユーザーの平均年齢は34歳であり、幅広い世代が利用していることがわかります。これまでのイメージで動画制作をすると若年層に合わせてしまいがちですが、そのままだと潜在顧客を逃してしまう可能性があるため注意が必要です。若者向けに偏りすぎないように内容も工夫していきましょう。
短時間の動画で印象を残す必要がある
TikTokの広告は、ユーザーの視覚と聴覚に訴えかけることができ、記憶に残りやすいというメリットがあります。
しかし、他のSNSと比べて最長再生時間が短く、短時間でインパクトを残さなければなりません。動画広告全般に共通していることですが、視聴者はフィードに流れてくる動画を見るか見ないかを一瞬で判断します。TikTokも同様に、冒頭3秒でユーザーの目を惹きつけるクリエイティブな動画制作が求められます。
TikTok(ティックトック)動画広告の事例
具体的なイメージをつかむためには参考事例を確認しておくことが大切です。TikTok動画広告の事例を9つご紹介します。
クラシル
アプリの操作を実際に画面上で見せることで、「自分も使ってみたい」と思わせることができます。TikTok広告の縦画面をうまく活かした広告です。
NARS「クワッドアイシャドー」
ブランドエフェクトを活用した広告です。アイシャドーパレット「クワッドアイシャドー」の質感や色味を疑似体験できるエフェクトとなっています。デジタルで家にいながらカラーシミュレーションができ、ユーザーが投稿したくなる楽しく華やかなエフェクトです。
日本マクドナルド
日本マクドナルドの事例は約3週間で再生回数1億回を超えたハッシュタグチャレンジ「 #ティロリチューン」の例を紹介します。
「 #ティロリチューン」は、デジタルネイティブ世代の認知獲得、来店促進をねらった施策で、マックフライポテトが揚がった際の「ティロリ」という音から来ています。
動画はティロリの音に合わせて簡単なダンスをしながら『500円バリューセット』を食べて、「はい、500円」というセリフで終わる内容です。ハッシュタグチャレンジのお手本動画に複数のインフルエンサーを起用し、より多くのフォロワーにプロモーション内容が届くよう工夫されています。
また、マクドナルドを利用したことがある人なら誰もが一度は聞いたであろう「ティロリ」という音源をBGMにすることで、すぐにマクドナルドを想起されることをねらっています。
結果、3週間で総再生回数1億回を超え、5万件のUGCを獲得できた広告動画です。
出典:TikTok For Business
メイベリン
メイベリンニューヨークの事例は、アジア地域でのハッシュタグチャレンジ「#落ちないリップチャレンジ」の例です。
メイベリンには日本の消費者に遠い存在として認識されているのではないかという懸念がありました。憧れはするものの親近感は持てない存在として認識されていることが課題でした。
TikTokがプラットフォームに選ばれた理由は、日本の10~20代の若年層から人気であることが挙げられます。また、ブランドの一方的な発信ではなく、ユーザーたちが各々楽しみながら自然に情報が拡散されていくという特性も理由のひとつです。
動画ではブランドエフェクトを使ってリップの色と質感を再現しつつ、ニューヨークの雰囲気を盛り込みました。ブランドエフェクトでリップを疑似体験することでユーザーに興味を持たせ、購買意欲向上につながるよう工夫されています。
結果、ハッシュタグがついた動画はすべて再生回数1千万回を達成し、「#落ちないリップ」というハッシュタグへのメッセージ想起82%、購入意向は50%以上アップしました。
出典:TikTok For Business
AGC株式会社
AGC株式会社の事例は、会社の知名度・認知度を向上させることを目的として行ったハッシュタグチャレンジ「#AGCチャレンジ」の例です。
AGCは1907年の創業で、ガラス、化学品、電子、セラミックスなどさまざまな素材を手掛ける会社です。
「#AGCチャレンジ」は、2021年2月9日からオンエアされている「AではじまりCでおわる素材の会社はAGC」CMにちなんだ企画になります。CMに出演するのは女優の広瀬すずさん。
ハッシュタグチャレンジの公式動画にも広瀬さんが出演しています。CMでも流れているユニークな歌詞と口ずさみたくなるようなメロディの中で、広瀬さんがキュートにウサギのような決めポーズをする内容です。
つい真似をしたくなるようなこの公式動画は、AGC株式会社の知名度・認知度向上に貢献しています。
出典:TikTok For Business
株式会社ロッテ
株式会社ロッテの事例は、同社が扱う「Fit’s(フィッツ)」のリニューアルに合わせて行ったハッシュタグチャレンジ「#フィッツダンスチャレンジ」の例です。
Fit’sは当時(2020年)に発売12周年を記念してリニューアルされました。このリニューアルに合わせて「#フィッツダンスチャレンジ」が行われました。
内容は、当時、新CMキャラクターに起用されたグローバル・ガールズグループ「NiziU」が公式動画で踊っているフィッツダンスを参考にユーザーが動画を投稿するものです。
もともとNiziUの曲のダンスはTikTok内ですでに人気があり、多くのユーザーが関連動画を投稿している状況でした。そのため、「#フィッツダンスチャレンジ」も大きな注目を集めました。
Fit’sブランドの世界観である楽しさと、TikTokユーザーからの人気が高いNiziUの組み合わせによって成功した事例です。
出典:TikTok For Business
PLUG
PLUGの事例は、アプリのインストールキャンペーンを行ったことでコンバージョン率が55%超を達成した例です。
PLUGは株式会社STRACTが提供するアプリです。Webで販売されている商品の最安値をワンクリックで調べられます。
サービス体験を提供できるチャネルで、かつ費用対効果とエンゲージメントが高いプラットフォームをさがしていたところ、TikTokが選ばれました。
TikTokには、「Spark Ads」という動画をインフィード広告の素材にできるフォーマットがあります。今回の事例では、このフォーマットとPLUGのアプリプロフィールページを組み合わせてPLUGのクリエイティブな動画をターゲットに届けました。
結果、動画の視聴回数が増えてアプリの認知度向上につながりました。
また、この他にもさまざまな施策を行った結果、コンバージョン率が55%を超えるとともにCPAの30%減、CTR1.4%を達成しています。
出典:TikTok For Business
BAKE
株式会社BAKEの事例は、TikTokのメインユーザーである若年層からの認知を多く獲得できた例です。
株式会社BAKEは、自社ブランドのお菓子である「BAKE CHEESE TART」を提供する会社です。この事例では、新商品である「潮風レモンチーズタルト」のさらなる認知獲得にTikTok広告を利用しました。
「潮風レモンチーズタルト」のメイン購買層は30〜40代です。10~20代の若年層からの認知はまだまだ低い状態だったため、さらなる潜在層への認知獲得のためにTikTok広告運用に取り組みました。
具体的な施策は、冒頭3秒間でロゴを表示させてブランドを意識させる、使っているレモンが瀬戸内産なのでストーリーや舞台も瀬戸内をテーマに採用するなどです。
施策の結果、KPIのリーチ数は40万のところ、実際のリーチ数を70万まで獲得できました。課題である10~20代女性へのリーチについても十分な成果を得ています。
出典:TikTok For Business
メンズスキンケアブランド バルクオム
株式会社バルクオムの事例は、TikTok広告を活用することでコンバージョンの獲得数を増加させた例です。
株式会社バルクオムは、フェイスウォッシュやシャンプーを扱うメンズスキンケアブランドです。
バルクオムは以前もTikTok広告を出稿していましたが、結果は出なかったそうです。しかしTikTok市場の拡大と、自分たちで広告の配信が可能な「TikTok For Business」を知ってもう一度チャレンジすることになりました。
実際の運用では、さまざまなジャンルの映像やBGMを試しながら試行錯誤を重ねたそうです。その中でもっともCPAがよかったのは「アンケートに答えるだけで無料サンプルがプレゼントされる」という形です。
これらの試行錯誤の結果、CPCが安くなり、CPAも目標を達成できました。また、アップセル率も他のプラットフォームとくらべて高い数値が出るようになったそうです。
出典:TikTok For Business
TikTok(ティックトック)動画広告制作で押さえておくべきポイント
より成果につながりやすい広告にするためには、TikTok動画広告制作のポイントを押さえておくことが重要です。企業担当者が知っておくと良い3つのポイントを紹介します。
縦長のクリエイティブ
TikTokの広告は、スマホでの視聴に最適化された縦長のクリエイティブが特徴です。そのため、TikTokを使う場合は縦長比率の特徴を生かした動画広告を制作する必要があります。
横長比率で作っている動画の場合はそのまま流すと画面の高さが足りず、上下に余白ができてしまいます。余白に企業のロゴを入れる、曲を流す場合には歌詞を表示するなどして不自然に見えないようにしましょう。
ユーザーの目を引く動き
TikTok動画では、ユーザーの目を引く動きを映像に入れることが重要です。TikTokは動画が次々と流れてきて表示されるため、動きがない動画や視覚的訴求力が低い動画広告は埋もれてしまいます。
ユーザーはTikTokを楽しむとき、ほんの数秒で見る価値があるかどうかを判断します。見る価値がないと判断された動画は容赦なくスキップされてしまうので注意が必要です。
具体的には、ユーザーの目を引くために画面映えする動きや派手なエフェクトでユーザーの関心をうまく引くことが大切です。人数もひとりよりは複数のほうが華やかな印象になります。
最初の3秒でユーザーの心をつかむ
TikTokの動画広告は最長で15秒です。しかし、世の中にありとあらゆるコンテンツがあふれている中、興味が持てない動画を最後まで視聴してくれる人は多くいません。
最後まで視聴してもらい、問い合わせや商品購入といったコールトゥアクションに導くためには、最初の3秒が勝負です。最初の3秒でユーザーを興味喚起させ、動画に引き込むような企画を考えましょう。
15秒以内に収める
TikTok広告では最大60秒までの動画を広告として出稿できます。しかし、実際にTikTok広告の動画を制作する際は、15秒以内に収めるようにしましょう。なぜなら、TikTokの通常投稿の大半は15秒以内の動画が主流だからです。
15秒以内の動画が多い原因は、TikTokのサービス開始当初の再生時間が最大15秒であったことに関係しています。ユーザーの多くに「TikTokは15秒間で楽しむもの」という認識が定着しているため、TikTokの運営も投稿動画の長さを15秒以内にするよう推奨しているほどです。
このことから、特別な理由やねらいでもない限りは、TikTok広告の動画では長くても15秒以内で訴求が必要です。
音源はリズミカルなものにする
TikTok広告の動画を制作する際は、使用するBGM音源をリズミカルなものにすることも大切です。ユーザーが広告をうっとうしいと感じる要素を減らすためには、広告クリエイティブの内容だけでなく音源も重要な要素です。
BGM付きの動画を広告として出稿できるという他のプラットフォームにはないTikTokの強みを活かさない手はありません。
トレンドになっている音源やTikTokユーザー間で流行っているリズミカルな音源をBGMに使用し、ユーザーが広告動画を離脱することを防ぎましょう。
TikTokの宣伝・広告効果を測定する方法
TikTok広告の宣伝・広告効果を測定するには、複数の動画クリエイティブを用意してABテストにかけることをおすすめします。必要に応じて常にABテストで効果検証ができるように、いつでも動画クリエイティブを制作できる体制を構築しておくことが大切です。
TikTokのプロアカウントを設定する
TikTok広告の宣伝・広告効果を測定するなら、プロアカウントを設定しておくことをおすすめします。プロアカウントがあると投稿のさまざまなパフォーマンスを分析できるアナリティクス機能が使えるようになるからです。
プロアカウントは無料で利用できるので、TikTok広告を出稿する前に必ず設定しておきましょう。
動画で分析できる主な内容は以下のとおりです。
- 合計再生時間
- 平均視聴時間
- 合計視聴回数
- 視聴者の所在地
- トラフィックソースの種類
また、フォロワー数の増減数や動画の視聴回数、プロフィールが表示された回数などもチェックできます。
TikTok広告運用でPDCAを回すために必要なデータは、プロアカウントのアナリティクスでおおむね取得できます。
SNS分析ツールを活用する
TikTok広告運用の効果測定に必要な基本データはアナリティクスで取得できます。しかし、より正確かつ高速にPDCAを回したいならSNS分析ツールの導入がおすすめです。
このツールを使えばライバルアカウントの投稿内容もくわしく分析できるからです。ライバルアカウントの投稿を分析できれば自社アカウントを客観的に評価でき、ライバルに勝つための改善点も見つけやすくなります。
SNS分析ツールには無料と有料のものがあります。ツールによって分析可能な機能の有無があるため、より高度な分析を行いたい方には有料ツールがおすすめです。
まとめ
TikTokの広告運用では、プラットフォームの特徴を踏まえた動画クリエイティブを用意することが何より重要です。たとえばスマートフォンでの視聴に対応した縦長の映像や、動画が表示された瞬間にユーザーの目を引く動きが入った内容などが求められます。
また、ユーザーの広告への嫌悪感を軽減し、動画を最後まで視聴してもらうための魅力的なBGMも欠かせません。
ただ、魅力的な映像素材を撮影し、さらにこれらのテクニックを施した動画に仕上げるには相応のノウハウや経験が必要です。
成果の出る動画クリエイティブを用意するには、制作実績が豊富なプロに依頼するのがおすすめです。
動画制作サービスのCrevo(クレボ)には、TikTok広告動画制作に関する豊富なノウハウと実績があります。自社のマーケティング施策にTikTok広告の導入を検討しているなら、ぜひお気軽にお問合せください。
幅広い表現を活用した動画制作・映像制作
動画制作の目的や課題、予算、コンセプトなどに合わせて最適な表現方法をご提案します。