注目の動画配信サービス「LINE LIVE」を徹底解説

これまで、タレントやアーティストなどの著名人や企業の公式アカウントでライブ映像を配信する機能『LINE LIVE CAST』を展開してきたLINE。

先日、『LINE LIVE』を発表し、映像配信サービスに本格参入しました。iOS、Android向けの視聴・配信アプリ『LINE LIVE』の提供と、WEB版への動画の配信を行っています。

さらに、サービス開始後の5日間で『LINE LIVE』の視聴数は、1,000万人を突破したことも話題に。スマートフォンの生配信サービスは、ほかにも、ユーザー数1,000万人を突破したモイの『ツイキャス』や、『ニコニコ生放送』などがあります。

今回は、これほどの人気と注目を集める『LINE LIVE』を徹底解説したいと思います。

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1.今起きているリアルなコトを共有する

映像のLIVE配信サービスには、『USTEREAM』、『ニコニコ生放送』、『ツイキャス』、『takusuta』、『SHOWROOM』、『アメスタ』などがあります。

一方、2015年の9月には、世界最大の映像配信サービス『Netflix』が日本でもサービスを開始。VODによる動画視聴に注目が集まりました。

また、個人間・グループ間でのLIVE動画によるコミュニケーションサービスには、Facebookが、12月に友人や家族がリアルタイムで見ているものを共有するサービス『LIVE VIDEO』を発表するなど、動画の視聴には、VODによる視聴とLIVEによる視聴の2つがあります。

数年前とは違い、今や、自撮りの動画や写真は、日々膨大にアップされており、一般ユーザーによる抵抗が薄くなってきています。

2.『LINE LIVE』の徹底解説

改めてLINEの媒体としての価値を、2015年4-9月の媒体資料から見てみましょう。

・国内利用者数 5800万人以上(日本の人口の45%以上をカバー)
・月間アクティブユーザー数 1,200万人突破
・DAUアクティブ率 69.1%(DAU=1日に1回以上利用したユーザー)
・男女ともに全年代で9割以上が毎月LINEを利用。若年層ほど利用頻度は高く、性別では女性の方がアクティブ。

LINEを利用する男女の年代別データ

•幅広い年齢層に利用されている。LINEの利用者データ

•若年層のスマホの接続時間が、他メディアの接続時間を上回っている。

LINE2015年4-9月媒体資料

(引用:LINE2015年4-9月媒体資料)(http://webmake.info/wp-content/uploads/2015/06/mediaguide_LINE_2015_4_9.pdf)

媒体資料からも分かるように、日本の人口の半分近くが利用していて、幅広い年齢層にも利用されている媒体でいうと、テレビに匹敵するほどのメディアとしての価値があります。そして、何よりも、若年層の利用頻度の高さがLINEの媒体としての魅力です。

番組コンテンツ

番組のコンテンツの内容に関しては、LINE公式アカウントのユーザーである著名人や、アーティストなど100人に限定して配信をしていくとのこと。

また、サービス開始当初は、試験期間として、スマートフォンの利用率が高い午前11時前後から14時と、午後18時から24時前後の時間帯を中心に5〜8本程度の番組を配信。

特に、アイドルグループのAKB48やラグビーの五郎丸選手などの著名人の番組や、LINE LIVEのオリジナル番組などを先行配信していきます。

LINEオリジナル番組

さしめし
LINEオリジナル番組としては、芸能人同士がランチを食べながら1対1で語り合うトーク番組「さしめし」や、ソーシャルスター発掘のオーディション番組「NEXT STAR」などを提供しています。

「さしめし」は昼の時間帯の放送にも関わらず100万人以上が視聴するという人気の高さ。また、配信された番組は、アーカイブで後から視聴が可能です。

コメント機能や、他媒体との連携

番組を視聴しながら、普段の『LINE』の友達とのトーク感覚で、芸能人とコメントが出来ることも、LIVE視聴の楽しみや参加率の高さに繋がっています。

また、テレビ局やラジオ局とのコラボレーションによる公式番組としては、TBSテレビの「第57回 輝く!日本レコード大賞」の事前番組や、ニッポン放送やエフエム東京と連携した番組を配信する予定とのことです。

プッシュ通知機能

プッシュ機能マホやPC向けの動画配信なので、テレビ番組を視聴する時のように番組表を探して見たい番組を探す手間は不要。特に、LINEのプッシュ通知は、ユーザーに対する効果が高いと言われています。

3.『LINE LIVE』今後の展開は?

投げ銭
広告を軸にしつつ、今後はユーザーからの課金を取り込む方針のようです。また広告は、番組の前後にテレビCMのように流れるタイプなどを予定。同じ番組や相互に関連する番組をLINE LIVEとテレビの双方で流し、一つの広告枠として運用することも視野に入れているようです。

収益モデル
広告や物販、そして、視聴者が配信者を支援する「投げ銭」システムの一部が手数料としてLINEの収益になるというビジネスモデルです。

一般ユーザーによる配信
2016年には一般ユーザーによる配信も解禁する予定です。このことによって、YouTubeというプラットフォームによって収益を稼ぐ『YouTuber』のような人達が、『LINE LIVE』を使った生配信からも出てくると思われます。

4.『LINE LIVE』や動画サービスは、今後どうなるのか?

LINE取締役の舛田氏が、「ユーザーとコンテンツを結びつける力が強いLINEのプッシュ通知で訴求できるというのがライバルとの大きな違い」とコメントしているように、日常の隙間時間を楽しむ仕掛けを作るLINEによる『LINE LIVE』の優位はしばらく続くのではないかと思われます。

また、これからは、ユーザーとタレントの囲い込みが媒体間で激しくなりそうな予感がします。YouTubeによって生まれた『YouTuber』のように、『LINE LIVE』で影響力を持つ一般ユーザの囲い込みが進むと思われます。

そして、ユーザーの可処分時間と可処分所得の奪い合いという面では、LINEのメインユーザーである10代〜20代の利用が多いスマホゲームとの可処分時間と、課金による可処分所得の奪い合いが一層激しくなりそうです。

動画サービスにおけるVODサービスと、LIVE動画サービスのどちらがより広くユーザーに受け入れられていくのでしょうか。
(文=朝比奈 直樹)

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参考記事

LINE2015年4-9月媒体資料

執筆者

VIDEO SQUARE編集部
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