採用マーケティングとは?メリットや導入方法、事例まで紹介

採用マーケティングとは?メリットや導入方法、事例まで紹介

AIなどが進化したことにより、さまざまな業界で業務の自動化が進められています。とはいえ、依然としてビジネスを展開する上で欠かせないのは優秀な人材です。特に近年は業界を問わず人手不足が深刻化しており、優秀な人材の奪い合い状態となっています。それだけに、採用活動に力を入れているという企業も多いでしょう。

そんな採用活動において、近年注目を集めているのが採用マーケティングです。この言葉を耳にしたことはあるものの、具体的な意味はよくわからないという方も多いようです。ここでは採用マーケティングとはどういったものなのか、そしてメリットや導入方法、実際の事例などをご紹介します。
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日時

2024/11/2812:00-13:00

採用マーケティングとは

採用マーケティングとは、その名の通り採用活動にマーケティングの考え方や手法を取り入れるというものです。具体的にはマーケティングの基本的なフレームワークである顧客が商品やサービスを認知してから興味を持ち、最終的には購入に至るといった流れをそのまま採用活動に取り入れる形になります。

このフレームワークを採用活動に当てはめると、求職者が企業を認知し、興味を持ち、選考に応募し、入社するといった流れです。この流れについて詳しくは後述しますが、採用マーケティングでは企業が認知されてから入社後のことまでしっかりと考えて仕組み化することによって、採用活動をスムーズにし、優秀な人材の確保や育成をしやすくするという点も特徴のひとつです。

従来の採用活動は企業側が受け身になって進められるケースが多かったのに対して、採用マーケティングでは企業側も積極的にアプローチして、求職者に自社を好きになってもらう、ファンになってもらうための活動とも言えます。

採用マーケティングのプロセス

採用マーケティングのプロセスは、まず求職者に自社のことを知ってもらう「認知」からスタートします。まず、存在を知ってもらわなければはじまりません。そのため、自社の求める求職者を絞って、認知してもらうためのプロモーションなどの活動を行います。

そして、次のステップが興味・関心です。認知されても興味を持ってもらえなければ次のステップとなる応募に繋がりません。そのために、認知してくれた求職者のための企業説明会や採用広告などを活用してアピールしていきます。

こういったプロセスを経て応募、選考へと進みます。そして内定後は内定承諾に進めるための活動も重要です。コストや手間をかけて内定を出しても入社に繋がらなければ意味がありません。そして、入社・配属、その後に育成なども採用活動のプロセスのひとつとして流れに組み込まれているという点も採用マーケティングの特徴です。

一見すると従来の採用活動と同じ様に思えるかもしれませんが、こうしてそれぞれのプロセスに分けて採用活動を行うことで採用活動を効率化し、精度を高めることができます。

採用ブランディングとの違い

採用マーケティングと似た言葉として混同されてしまいがちなもののひとつに採用ブランディングが挙げられます。採用マーケティングとは前述の通り、マーケティングのフレームワークを採用活動に取り入れるといった考え方です。それに対して、採用ブランディングは求職者に対して自社の活動や社風、強みなどを継続的に発信しつづける活動のことを指します。

つまり、ブランディングによって自社のブランド力を高めて、求職者を集めることを目的とした活動にあたります。自社のファンを作る活動と言われることもある採用マーケティングと近い面もありますが、採用ブランディングでは採用活動のプロセスよりも、自社のイメージ向上や認知度を高めるといった点に注力しているという点で異なった採用活動の手法です。

採用マーケティングが注目される理由とは

採用活動にはさまざまな手法があります。その中でも特に注目を集めているのが採用マーケティングです。とはいえ、どうして今、採用マーケティングが注目されているのでしょうか。

採用マーケティングが注目されている理由はいくつかあります。ここではその理由の中でも代表的なものをいくつかピックアップして詳しくご紹介します。

少子高齢化による労働人口の減少

現代社会が抱える大きな問題として少子高齢化による労働人口の減少が挙げられます。技術の進歩によってどんなに効率化や自動化が進んでもまだまだ人間による労働力はどの業界でも欠かせません。しかし、労働人口は減少し続けており、近年では業界を問わず多くの企業で人手不足が深刻化しています。

かつて就職活動の市場は買い手市場で企業は採用活動においても応募してきた求職者を選考するだけでも十分な人材を確保できていました。しかし、現在では労働者が不足していることから完全な売り手市場へと変化し、企業側が積極的に求職者にアプローチしなければ必要な人材を確保できなくなってしまったのです。

そこで、人材を確保するための手段としてより、積極的に求職者に対してアプローチすることができる採用マーケティングが注目を集めるようになったと考えられます。

新卒採用の長期化

多くの企業にとって採用活動が特に重要となるのが新卒採用です。近年ではそんな新卒採用にも変化が見られるようになっています。以前と比較すると新卒採用が早期化・長期化しており、採用活動の戦略を見直す必要があるのです。

また、大手企業では通年採用や、春のみでなく秋にも採用を行うというケースも増えており、以前のように決まった新卒の就職活動開始の時期に合わせて採用活動をはじめても間に合わなくなっています。採用活動が遅れてしまうと、それだけ優秀な人材はすでに他社で採用が決まっており、希望する人材を採用することができない可能性が高くなります。

実際に近年では大学生の中には3年生の時点で内定を獲得して就職活動を終了するという方も増えています。そこで、より計画的に求職者にアピールすることができる採用マーケティングが注目を集めるようになっているのです。

採用の手法の多様化

前述の理由から採用活動の状況は変化し続けています。そのため、多くの企業は人材を確保するための採用活動に力を入れるようになりました。その結果として採用の手法の多様化が進んでいます。従来の採用活動といえば紙媒体の就職関係の雑誌、就活サイトや転職サイトなどを利用するといったものが主流でした。それに対して、近年では自社の社員や取引先などからの紹介によるリファラル採用や、ダイレクトソージングなどによる採用活動も増え続けています。

このように、採用活動の手法が多様化したこともあって、企業としてより戦略的に採用活動を行うことが求められるようになり、そこで注目を集めているのが採用マーケティングです。採用活動にマーケティングに手法を取り入れることによって、より計画的に自社の求める人材にアプローチしやすくなります。また、新卒採用のみでなくさまざまな採用の手法と組み合わせやすいという点も注目を集めている理由のひとつと考えられます。

採用マーケティングの導入メリット

現在、多くの企業で採用マーケティングが注目を集めており、導入されるケースが増えています。とはいえ、採用マーケティングにはどのようなメリットがあるのかわからず、悩んでいるという方も多いでしょう。

事実、採用マーケティングにはさまざまなメリットがあります。ここでは採用マーケティングのメリットをいくつかピックアップして詳しくご紹介します。

ターゲット人材からの応募が増加する

従来の採用活動と比較すると採用マーケティングよりもさらに広い層をターゲットとして設定します。例えば、以前は新卒だけをターゲットしていたのに対して、採用マーケティングでは退職者や転職希望者などに対しても発信を行い、アプローチをかけるという形になります。

つまり、以前はターゲットにならなかった潜在層の発掘が可能となるのです。結果として従来の採用活動よりも応募者が増加し、採用活動の精度アップも見込めます。

また、先ほども触れた通り他の採用活動の手法とも組み合わせやすいことから、さらに広いターゲットにアプローチしやすいという点もメリットです。

採用コストが削減できる

採用コストの削減が見込める点も採用マーケティングのメリットのひとつです。マーケティングの手法を取り入れることによって、無作為に採用広告を出稿するのではなく、明確にターゲットを設定して、より効率的にアプローチを行うことになります。

そのため、広告費などの無駄を削減することができます。また、採用活動をしながら同時に情報を分析しながら常に最適化することも可能です。ここでも無駄な採用活動をカットすることができるため、結果としてコスト削減につながると考えられます。

優秀な人材を確保するためにある程度のコストは避けられないものです。その考えから効果の薄い無駄な採用活動を行ってしまいがちですが、採用マーケティングによって総合的な見直しができるという点がメリットです。

自社が求める人材を見つけやすくなる

採用マーケティングでは、自社にとって必要な人材、求めている人材のペルソナを設定した上で計画的に採用活動を行います。そのため、自社が求めている人材を見つけやすくなるメリットがあります。

新卒のみに限定するといった従来の採用活動とは異なり、潜在層に向けても積極的にアプローチを行うことになるため、これまでの採用活動ではそもそも出会うことができなかった人材を見つけられる点も採用マーケティングのメリットのひとつです。

現在のように人手不足が深刻となっている状況ではどうしても、自社が求める人材を絞り込むことができないケースも増えがちです。しかし、採用マーケティングを行うことによって応募数も増加し、自社が求めている人材を絞り込みやすくなるとも考えることができるでしょう。

早期からの新卒採用にも対応できる

先ほども少し触れましたが、近年では新卒の採用活動は早期化・長期化の傾向にあります。優秀な新卒生は早い段階で就職活動を終えてしまうケースも増えているため、従来の手法では本格的な採用活動をはじめた時点ではすでに手遅れになってしまいがちです。

それに対して採用マーケティングでは、新卒生だけに絞り込むのではなく、年間を通して求職者にアプローチを行うことによって、早期からの新卒採用にも対応しやすいというメリットがあります。

採用マーケティング実践のための6つのステップ

採用マーケティングの導入を決めたとしても、具体的に何をすればいいのかわからないという方も多いでしょう。ここでは採用マーケティングを実践するために必要な6つのステップをそれぞれ分けて詳しくご紹介します。

ステップ①自社分析

採用マーケティングを実践するための最初のステップとなるのが自社の分析です。あらゆる角度から自社の強みや弱みを分析していきます。

顧客、競合、自社の3つの視点で事実を整理する3C分析、内部環境、外部環境などから自社の状況を強み、弱み、機会、脅威に分類するSWOT分析などの思考フレームワークを使用することで、より自社を分析し、理解しやすくなるでしょう。

自社の分析は採用マーケティングのベースとなるため、しっかりと時間をかけておこなうようにしましょう。

ステップ②ターゲット・ペルソナの設定

自社の分析が十分にできたら、続いては採用したい人材、理想の人材を具体的に設定して行く作業に入ります。具体的には前述の分析によって自社にはどのような人材が必要なのかを明確にしていきます。ここでできた人物像が採用活動におけるターゲットにあたります。

こうして、ターゲット像がはっきりするとさらに一段深く掘り下げてより具体的なペルソナの設定を行います。ペルソナを設定することによって採用活動におけるアプローチの精度を高めることができるのです。

ステップ③キャンディデイトジャーニーの設計

続いてキャンディデイトジャーニーの設計を行います。あまり耳馴染みのない言葉かもしれませんが、これは通常のマーケティングで使われるカスタマージャーニーを採用活動向けにアレンジしたものです。

簡単に言うと、求職活動における情報の収集から最終的な採用・入社までのストーリーを組み立ててそれぞれのプロセスを明確にした設計図のようなものです。

設計は、目標の設定→ターゲットの設定→全体の工程の設定→遷移指標の設定といった流れで行われます。

ステップ④ストーリーに応じたチャネルを設定

前述のキャンディデイトジャーニーによって設定されたストーリー(ファネル)をベースとして具体的なチャネルを設定していきます。具体的には認知のステップでは求人媒体、イベントや広告戦略など、興味のステップでは動画コンテンツの活用やインターンシップなど具体的な行動を設定していきます。

こうすることによって、設定したストーリーをどのように進めていくのかが明確になり、採用マーケティングがより実践しやすくなります。

ステップ⑤採用活動を具体的に企画する

続いては先ほど設定したチャネルの具体的な企画へと進みます。企業を認知してもらうための広告やイベント、メディア展開などの企画を行います。企画の内容によっては実践するために時間が必要となるケースもあるため、優先度の高いもの、時間がかかりそうなものから早めに企画して準備を進めることが大切です。

自社内で進める企画と外注する企画で分けて進めて行くことも視野に入れて効率的に企画を立てて進行するようにしましょう。

ステップ⑥結果を分析しながら改善

採用マーケティングは実践したらそれで終わりというわけではありません。実践しながら出た結果を分析しながら同時に改善しながらさらに採用活動を進めて行くことが大切です。

具体的には広告などの施策に対する説明会への参加率やエントリー率、面接の実施率といったデータを計測することによって、採用活動に対する効果を明確に把握することができます。

そして、高い効果が出ているものは継続して実施し、十分な効果が得られていないものは変更・改善するようにしましょう。

採用マーケティングのポイント

採用マーケティングを導入し、成功させるためにはいくつかのポイントを抑える必要があります。

ここでは、そんな採用マーケティングを実際に行う上で重要となるポイントを2点ピックアップして詳しくご紹介します。

ターゲットの解像度を高める

まず、ターゲットの解像度を高めることが重要です。どんな人を採用したいのかを明確にできていなければ、採用活動の精度が低くなってしまいます。一方でターゲットの解像度が高ければその分だけピンポイントに絞った採用活動を行うことができます。これによって、自社が求めている人材を獲得しやすくなるのみでなく、無駄なコストをカットできるというメリットもあります。

ターゲットの解像度を高めるためにはまず、自社の分析をしっかり行う必要があります。自社にとってどんな人材が必要なのかをしっかりと把握することでよりターゲットの解像度を高めることができるでしょう。

ターゲットの設定は採用マーケティングを行う上で特に重要なステップとなります。ここがしっかりできていなければ次のステップの精度も落ちてしまうのでしっかりと行うようにしましょう。

フレームワークを用いる

採用マーケティングではフレームワークを用いることも重要です。プランをフレームワークを用いて明確にすることによって、採用活動をより行いやすくなります。マーケティングにおいて顧客が商品を認知し、興味を持って購入に至るまでの流れをフレームワークにするのと同じように採用活動のステップを明確にするのです。

具体的には求職者が企業を認知し、興味を持って応募、そして最終的に入社に至るまでの流れをフレームワークを用いて整理します。そして、それぞれのステップでどのような施策を行うのかを明確にすることによってスムーズに採用活動を進めることができるのです。
また、フレームワークによってステップを整理しておくことによって効果の分析や改善などもしやすくなります。

採用マーケティングでは動画が効果的?

採用マーケティングにさまざまなツールや手法を使うことができます。中でも特に効果的なのが動画です。近年ではネットが普及し、さまざまなシーンで動画を視聴できるようになっています。それだけに、ビジネスでも動画が活用されるようになりました。

採用活動においても動画は使われるようになっており、企業の知名度アップや魅力などをアピールするためなど、さまざまな目的で使われています。動画は採用マーケティングの多くのステップで使うことができるという点もメリットのひとつです。

採用マーケティングの動画制作実績実例

Crevoでは採用マーケティングのための動画をいくつも制作してきました。ここではその中でも成功事例をピックアップしてご紹介します。

JIPテクノサイエンス株式会社

アニメーションと実写を組み合わせて企業の事業内容などを総合的に紹介する動画となっています。汎用的に使用できる内容となっているため、企業説明会やホームページへの掲載など複数のステップで使用できる動画です。

出典:Crevo制作実績

アンリツ株式会社

こちらの動画では企業として採用したい人物像を明確にしてストレートに伝えるといった内容になっています。同時に女性が働いている姿をクローズアップして実写中心の動画にすることによって、女性が活躍しやすい職場であることもアピールしています。

出典:Crevo制作実績

営業製作所株式会社

こちらの動画では会社からのメッセージを、テキストを使って強調することによって、内定者のモチベーション向上などを目的として作成しています。企業としての成長性なども同時にアピールしており、求人者増加効果も期待できる動画となっています。

出典:Crevo制作実績

田島ルーフィング株式会社

新卒採用者向けに、学生にもわかりやすいようにストーリー性のある動画に仕上がっています。ある程度の長さの動画ですが、コミカルさを加えたストーリーにすることによって最後まで飽きさせず最後まで視聴してもらいやすい動画でもあります。

出典:Crevo制作実績

採用マーケティングならCrevo

採用マーケティングには動画を活用することが有効です。実際に多くの企業が採用活動に動画を活用することで効果を得ています。Crevoではこれまでに多くの企業の採用マーケティング動画を作成してきました。さまざまなジャンルの動画の作成が可能なので、まずは気軽にご相談ください。

まとめ

労働人口が減少していることもあり、多くの企業が人手不足に悩んでいます。そこで特に重要となるのが採用活動です。さまざまな手法がありますが、近年特に注目を集めているのが採用マーケティングです。ここでは採用マーケティングとは何なのか、そして実践するための方法などをご紹介しました。

これから採用マーケティングを実施したいと考えている方の参考になれば幸いです。

執筆者

VIDEO SQUARE編集部
VIDEO SQUARE編集部
VIDEO SQUAREは、「動画制作・映像制作」「動画マーケティング」「動画活用」「動画トレンド」などに関連したトピックを取り扱うオウンドメディアです。 2,000社10,000件という業界トップクラスの動画制作実績を持つ「Crevo株式会社(クレボ)」が運営しています。

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