ついに来た「普及元年」?!VRコンテンツをマーケティング活用するには?

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今年なにかと話題が増えているVR(ヴァーチャル・リアリティ)。1990年代初頭の登場から四半世紀近くを経て、ついに一般的な生活のなかに入り込めるようなデバイスやコンテンツが多数あらわれてきたことが、今回のもりあがりの背景にあります。TrendForceによるとVR市場はハードとソフトの合計で2016年には10億ドル近い市場となり、2020年には70億ドル市場(15年12月,TECHTIMES)に成長すると予測されています。

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そこにあるはずのないものを、さながら本物であるかのように再現し体感させるテクノロジーであるVR。そもそも日本は、すでに20年以上の伝統をもつような学生対抗のVRコンテスト(IVRC)が毎年開催され、学生レベルでもさまざまに想像力と技術力を競い合いながらテクノロジーやコンテンツに磨きをかけているVR先進国です。

その日本国内でも「普及元年」と噂されるVRが、いま、より一般的なところでどのように用いられているか、特にマーケティング領域での活用を意識しつつレポートします。

体験スポットの増加

多くの人が「なんとなくどんなものか」は知っているVRですが、その真価はやはり体験しないとわかりません。さきほど挙げたような市場成長の予測も、一度VRを体験した人々が、二度三度とその体験を求めるような状況がなければ成り立ちえません。その点で、多くの人が「はじめてのVR体験」をできる場所が、今年一気に増えてきた観があります。

東京お台場のダイバーシティに10月までの予定で設置された「VR ZONE Project iCan」や、タレントおのののかさんの動画が話題となった「スカイサーカス サンシャイン60展望台」(東京・池袋)などは、専用の大型機材を視覚体験と連動させることでよりリアルにこれまでになかったような感覚を体感できるVR体験施設です。

それから先ごろGalaxyブランドとの協業を発表した横浜DeNAベイスターズの本拠地横浜スタジアムでも、あくまでも視覚体験として「いままでにないスポーツの見方」をもたらすものとして「VR体験」ができるスポットが設置されました。特徴的なのは、ここまでに挙げたようなメジャーな観光スポットだけでなく、インターネットカフェでもVRが楽しめるような動きが生まれてきていることです。インターネットカフェでマンガや動画を楽しむように、VRならではのコンテンツも楽しめる。ここから広がるVR体験者のすそ野は、非常に広いのではないでしょうか。

機材の普及

ここまでは、自宅外のどこかで楽しむVR体験についてまとめました。しかし、今のVRのすごいところは、以前に比べると相当安価なデバイスによって自宅でもその体験を楽しめるところではないでしょうか。あくまでもゴーグルのように装着し目に見える世界を仮想現実にするヘッドマウントディスプレイではありますが、それでも高度なVR体験は可能です。事実さきほど挙げた体験スポットでも用いられているようなデバイスもあります。

比較的入手しやすいものですと、ベイスターズとの協業をすでに述べたGalaxyのGearVR。こちらGalaxyのスマホがないと使えませんが、GearVR単体での価格は1万円台です。また今年10月発売とされているSONYのPlaystationVRは4万円台のようです。これら以外にも、サンシャインシティの体験スポットで用いられているHTC ViveやOculusRiftなど(どちらも10万円程度ではありますが)、さまざまなデバイスが登場してきています。

制作ツールの普及

もちろん安価なデバイスが増えてきたのは、VRを体験するための機器だけではありません。VR動画を制作するためのツールもさまざま出そろってきています。実写で360度パノラマ動画を撮影するための機器として有名なのはRICOHのTHETA  SやKODAKのPIXPRO SP360などがあります。3DCGをVR用動画にするためのソフトウエアも数多くあります。マーケティングの一環としてVRを使うための制作環境も整ってきたといえるでしょう。

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また単に撮影・制作するだけでなく、それを配信していくための様々な仕組みも登場しています。お金のかかる配信システムだけでなく、Youtubeなどのプラットフォーマーも諸々制約はありますが、そのためのシステムを提供しはじめています。特にYoutubeはこの4月に、360度のライブストリーミングにも対応していくことを発表しました。

マーケティング活用に向けて

このように、一気に普及期の入り口にたどり着いた観のあるVRですが、コンテンツのデータ量が非常に重い、長尺のコンテンツを作るのは相当大変、などの難点があるのも確かです。

特に、「ターゲットとなる誰かになんらかのメッセージを届ける」というマーケティングコミュニケーションの観点でいうと、映像世界そのもののもつインパクト、臨場感や没入感にかまけてしまい、本来伝えるべきメッセージや狙いがぼやけかねないリスクもあります。特にゲームやアニメなどのハイクオリティなエンターテインメント映像コンテンツのプレイヤーが多数市場に参入してきている現状においては、マーケティング目的の企業やブランドが体験者を単に「びっくりさせる」ようなコンテンツを作ることにはおそらくほとんど意味がありません。

そのような、飛躍的にクオリティを上げつつあるコンテンツ環境の中で、埋もれない、意味のある、コンテンツを開発するには、VRのインパクトを活かしつつ、マーケティング本来の目的を見失わない戦略設計が必要になってくると思われます。

いかにそのような戦略設計のできるコンテンツ開発パートナーを見つけるか。それが、マーケティング担当者がVRを活用するために、最初に必要となるスキルなのではないでしょうか。

松崎アイコン画像InT松崎充克
株式会社インテグレート ストラテジックデザインラボ プランニングディレクター

外資系広告会社、国内大手広告会社、ブランドコンサルティング会社を経由し現職。
グローバル巨大企業のコーポレートブランディングからローカルな通販企業のダイレクトマーケティングまで、多種多様なクライアントの幅広い領域のマーケティングコミュニケーション業務を経験。データから読み解く人間行動と、ターゲットインサイトに刺さるテクノロジー活用、それらの統合として戦略的なデザインワークの実践が直近のテーマ。

株式会社インテグレート:http://www.itgr.co.jp/

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