トレインチャンネルとは?費用からメリット・デメリット、活用事例まで徹底解説

トレインチャンネルとは?費用からメリット・デメリット、活用事例まで徹底解説

商品やサービスをプロモーションするために、広告の出稿を考えている企業の担当者の人も多いのではないでしょうか。
その際に、どの媒体に広告を出すのかで迷うこともあるかと思います。

そこで、おすすめなのがトレインチャンネルです。
電車に乗った際に、車内で流れているCMをついつい最後まで見いってしまったという経験はありませんか。
電車内のCMは、正しい活用法やメリットなどを理解したうえで利用すれば、自社のプロモーションに活用することができます。

この記事では、トレインチャンネルのメリットや魅力、さらにトレインチャンネルの種類などについて具体例を交えながら紹介します。

トレインチャンネルって何?

トレインチャンネルとは、電車内のドア上に表示されるCMのことです。対象エリアは、首都圏のJR主要9路線になります。各線での単線販売が可能で、電車内広告の大きなメリットであるエリアに合わせたターゲティングもできます。広告の種類に関しては、ロール形式での放映です。

使われている実例として、通常の広告以外にも天気予報やニュースなどさまざまなコンテンツがあります。旅行客にとっても関心が高く、自然と目が行きがちな場所であるため注目されやすいでしょう。山手線では20分に1回ですが、そのほかの線では基本的に最大25分に1回は広告がドア上のモニターに流れます。

トレインチャンネルのメリット

実際に電車内にCMを流すメリットはどのようなことがあるのか、具体例を交えながら見ていきましょう。

行動につなげやすい

電車に乗っているあいだは、車の運転などとは違い、スマホを見たり、本を読んだり、車内の外の景色を眺めたりと自由に過ごすケースが多いです。そのため、電車内で流れているCMをついつい最後まで見てしまう人も多いという特徴があります。関東交通広告協議会の調査によると、車内ではスマホを利用している人が多く、電車内の気になる広告をその場で検索する割合が高くなっています。

つまり、広告を目にしたうえで手持ちのスマホで検索するまでの導線ができあがっているといえます。数字で見ると、2014年度の調査時には車内広告を見てネットで調べたという人は15.9%だったのに対して、2017年度は19.5%まで伸びています。

エリアセグメントできる

トレインチャンネルのメリットは、広告を掲載する路線を選ぶことができるため、ターゲットにしたい層を選んで情報を届けられることも挙げられます。たとえば、自社店舗がある場所の沿線に広告を出稿した場合、近所を通った人が広告で見たのを理由に店舗に足を運んでくれる可能性もあるでしょう。「駅の2番出口より徒歩5分」などと広告に出すことで、駅から店舗までの導線を作ることにもつながります。

また、エリアセグメントによってコストの削減も可能です。具体的には、自社店舗のある場所やサービスを展開している沿線のエリアに集中して広告を出稿し、ほかの集客が見込めないような駅などには出稿しなければ、コスト削減にもつながり宣伝の効率を上げることができます。

認知率を高められる

通勤や通学のために電車を利用している電車ユーザーにとっては、放映期間中は毎日CMに接する機会があるため、記憶に残りやすくなるといえます。その結果、認知度を高められるだけではなく、何度も広告を見る、いわゆる反復訴求効果によって購入や集客にもつなげやすくなります。特に、公共交通機関は通勤や通学など同じ時間に同じように毎日使用する人も多いでしょう。そのため、無意識のうちに広告の情報が頭の中に刷り込まれていくのです。

さらに、認知度が高められる理由として電車内広告の高い公共性もあります。電車内広告のように誰もが接することのできる広告は公共性が高いため、自然と認知度が高まります。同時に商品やサービスへの信頼度も高めることができるでしょう。

動画による訴求ができる

トレインチャンネルは動画によってユーザーに対して訴求できるものです。商品の使い方やアピールポイントを視覚的に訴えかけることで、画像や説明書などによる広告より高い訴求力があると考えられます。

動きのある情報伝達であるため、ユーザーに覚えてもらいやすいこと、認知拡大やブランディングに優れていることなどは、トレインチャンネルを使う大きなメリットです。

多くの人にリーチできる

トレインチャンネルは電車内で繰り返し流される広告であるため、多くの人にリーチできるというメリットがあります。

例えば首都圏では、1週間当たりの山手線群の利用者数が3,181万人と最も多いことがわかっています。次いで京浜東北線群が3,149万人と多く、トレインチャンネルが多くの人々の目に触れることがわかります。

トレインチャンネルのデメリット

トレインチャンネルには、主に3つのデメリットがあります。利用する前にデメリットについてもきちんと把握しておきましょう。

  • 車内にはトレインチャンネルが見えない場所もある
  • 音声を使わず情報を伝達しなければならない
  • 高額な媒体費用がかかる

それぞれ詳しく解説します。

車内で必ず見られるわけではない

トレインチャンネルは電車内の出入口ドアの上に設置されている画面で放映されます。満員電車で座っている人や、車内中央付近に立っている人から見えづらい点はデメリットでしょう。

より目を惹く動画にしたり、時間帯や曜日の選定などをしっかりおこない、効果的な活用方法を考えることが大切です。
またトレインチャンネルに合わせて車内の中吊り広告などを同時に出すことで、広告の存在感を相互に高め合う方法もあります。

音声を利用できない

トレインチャンネルでは音声なしの動画しか放映できません。視覚情報のみで正しく情報を伝達しなければならないため、音声ありの動画よりも高い視認性やキャッチーさが求められます。
視聴者の目を惹きつけられる工夫を施すよう意識して動画を制作してください。

また、既存の広告動画をトレインチャンネルに使いたい場合であっても、音声がない分テロップやキャプションなどを追加して音声を補う必要があります。

媒体費用に高額の予算が必要

トレインチャンネルの媒体費用は、全体的に高額となることが多いのもデメリットの一つです。

放映する路線によって価格が異なり、利用客の多い人気路線ほど高額になる傾向があります。そのため、トレインチャンネルを利用できるのは高額の広告予算を透過できる企業に限られているのです。
ただし、トレインチャンネルには高い効果が期待できるため挑戦する価値はあるでしょう。

トレインチャンネルの費用の内訳

トレインチャンネルを出稿するには、以下のような費用が必要です。

費用項目費用相場
媒体費用20万円~数千万円
(路線や掲出位置、期間によって大きく異なる)
動画制作費50万円~数百万円
(内容やクオリティによって大きく異なる)
代理店手数料媒体日と動画制作費の20%程度

3項目の費用について、それぞれ詳しく解説します。

媒体費用

広告枠を取るのにかかる費用を「媒体費用」「媒体費」と言います。

鉄道会社の広告枠はさまざまな代理店が窓口になって販売しており、購入には代理店経由での手続きが必要です。

路線、掲出位置、掲出期間などの条件によって費用は大きく異なるため、ターゲティングを含めて事前にしっかりリサーチしておくことが必要です。

また、媒体販売は早い者勝ちです。悩んでいるうちに第一候補だった枠を他社に買われてしまうということも多いので、代理店への相談や購入は早めに行ない、何事も余裕を持った行動を心がけましょう。

動画制作費

トレインチャンネルで放映したい動画については、媒体費用とは別に30万円~数百万円程度の動画制作費がかかります。既存のテレビ用CMなどを流用したい場合でも、音声がなくなる分テロップ挿入などの追加編集が必要となるため注意しましょう。

トレインチャンネルの動画制作は広告代理店に映像制作会社を紹介してもらって発注したり、動画制作の専門業者に依頼したり、自社内で制作したりするなどの方法があります。

ただし、トレインチャンネルには媒体審査をクリアするために専門的なディレクションが必要です。トレインチャンネルの制作経験のある会社や業者に依頼すると、出稿がスムーズでしょう。

代理店手数料

代理店に対して支払う、代理店手数料は必須の費用です。鉄道会社の広告枠は代理店が販売しているため、必ず発生します。

手数料の相場は媒体費用の20%程度です。動画制作も一緒に依頼する場合、別途動画制作費用の20%が手数料として発生するのが一般的です。

トレインチャンネルの媒体費用の目安

トレインチャンネルの媒体費用について、路線や条件ごとの料金は以下のように設定されています。

路線配信期間動画の尺料金
全線セット7日間15秒480万円
全線セット
(山手線なし)
7日間15秒280万円
中央線快速7日間15秒110万円
京浜東北線・根岸線7日間15秒99万円
中央総武線各駅停車7日間15秒80万円
埼京線7日間15秒55万円
京葉線7日間15秒35万円
常磐線各駅停車7日間15秒20万円

以下では、路線ごとの詳しい媒体費用について紹介します。

山手線、京浜東北線

山手線と京浜東北線の媒体費用は以下のように設定されています。

路線配信期間動画の尺料金
山手線13週間15秒3,000万円
京浜東北線・根岸線7日間15秒99万円
サイドチャンネル
(山手線)
7日間15秒60万円
まど上チャンネル
(山手線)
7日間15秒200万円

山手線と京浜東北線は首都圏でも特にユーザーが多い路線であり、1週間で1,000万人以上が利用しています。
電車1つあたり80〜88個のモニターがあり、総数4,000個以上のモニターで広告を流せるということになります。

ドア上のトレインチャンネル、窓上のまど上チャンネル、車両連結ドア上のサイドチャンネルでそれぞれ媒体費用が大きく異なるため、予算に合わせた選定が必要です。

都営地下鉄線

都営地下鉄線の媒体費用は以下のように設定されています。

路線配信期間動画の尺料金
浅草線7日間15秒50万円
新宿線7日間15秒50万円
大江戸線7日間15秒50万円

都営地下鉄線では、浅草線、新宿線、大江戸線にモニターが設置してあります。各線での配信期間、動画の尺、料金は一律となっています。
地下鉄は車窓から風景を見ることができないため、車内広告の視認性が高いことが特徴です。

JR西日本

JR西日本の媒体費用は以下のように設定されています。

路線配信期間動画の尺料金
大阪環状線1週間15秒37万5,000円
東阪セット(※)1週間15秒645万円

※:東阪セットはJR西日本とJR東日本のトレインチャンネルを同時に展開できるセット

JR西日本では、大阪環状線やJR京都線、JR神戸線などの車内モニターに広告を出稿できます。

東阪セットなら、JR東日本と同時に広告を出稿することも可能です。

トレインチャンネルで効果を出すコツ

トレインチャンネルで効果を出すコツは、大きく3つあります。

  • 路線を下見して利用客の層を把握する
  • 文字の情報を絞り視認性を上げる
  • 静止画を使うときは画面数を3枚程度に抑える

それぞれ詳しく解説します。

路線の下見

トレインチャンネルの効果を上げるためには、事前に路線を下見することが大切です。路線や時間帯によって利用者層は大きく異なり、広告のターゲット層とのマッチ度も違ってくるためです。

ビジネス街を通る路線と若者のお出かけスポットを通る路線とでは、利用者の年齢層や社会的な立ち位置などが変わってきます。

文字の情報を絞る

トレインチャンネルでは、文字による情報は必要最低限に絞ることが重要です。伝えたい情報を少ない文字に落とし込み、シャープな訴求を目指しましょう。

動画広告では、文字数が多いほど視認性が下がる傾向があります。動画広告ではユーザーに興味を持たせることを優先し、詳細はWebサイトへ誘導するという形がおすすめです。

画面枚数は少なく

静止画で動画広告を制作する場合、画面の枚数は3枚程度に抑えるのが理想です。

画面枚数が増えると1枚当たりの表示時間が少なくなり、見づらい動画になってしまいます。さらに、全体の情報量が増えすぎることで本当に伝えたいメッセージがぼやけてしまうリスクもあります。

トレインチャンネル以外の電車内ビジョン広告

ここからは、実際に活用されている電車内広告の実例としてJR東日本が提供しているトレインチャンネルの種類について説明していきます。

まど上チャンネル

まど上チャンネルとは、JR山手線E235系の窓の上のポスター部分に設置された車両ビジョンのことを指します。特徴としては、3面の画面を利用したクリエイティブな表現をすることができる点です。まど上チャンネルは21.5インチのサイネージを横並びに3面設置されているため視認性が高いでしょう。

すべて同じ映像や画像を表示することもできますが、3面のサイネージを連動させたようなクリエイティブな表現をすることも可能です。広告の頻度は、最大で20分に1回はロール形式で表示されます。

サイドチャンネル

サイドチャンネルとは、JR山手線E235系の車両連結ドア上部分に設置された車両ビジョンのことで、21.5インチのサイネージが車両前後に1面ずつ設置されています。1週間にわたって1面を終日で利用することができるので、高い認知率を期待できるでしょう。広告は1社で買い取りになるため、自社が流したい情報だけで車両内の視線を占拠することができるのです。

トレインチャンネルの活用事例

それぞれの広告媒体を使用して、実際の電車内で活用されているCMの具体的な事例について紹介していきます。

養命酒製造「薬酒 養命酒」

出典:Crevo制作実績

こちらは、動画制作サービスのCrevo(クレボ)が制作した養命酒のトレインチャンネル用動画になります。電車内で音を出すことのできない広告であることに配慮して、視覚的に養命酒への興味を引き出す工夫がされているのが特徴です。文字訴求を活用したり、視聴者に問いかけるような構成にしたりするなど、視聴者を引きこむ作りになっています。電車内の乗客に対して、夏バテに関する問いかけと養命酒を交互に見せることで、養命酒が夏バテに効くということを効果的に印象づけています。動画の尺はそれほど長くはありませんが、伝えたいメッセージを端的に届けいる動画だといえます。

ソリトンシステムズ「働き方改革クイズ」

株式会社ソリトリシステムズの「働き方改革クイズ」電車内CM動画です。動画の特徴として、乗客にクイズを出すことで答えが気になるように誘導して興味を引きつけていることが挙げられます。そして、クイズの答えを教えたうえで自社のサービス紹介に誘導しています。ソリトンシステムズがどのようなサービスを展開しているのかはCMでは伝えていないものの、視聴者にとっては興味をそそられる内容になっているため、思わずスマホで調べたくなるような構成になっています。

また、文字やイラストを動画内で大きく表現することで、視聴者がより内容を理解することができるように見せています。

外務省「鷹の爪団の行け!ODAマン」

外務省の「鷹の爪団の行け!ODAマン」のトレインチャンネル用動画です。キャラクターを活用することで、まるでアニメを見ているような感覚で広告動画を見てもらえるよう工夫されているのが特徴です。秘密結社鷹の爪の主要キャラクターである吉田くんを利用することで、ODAという一見難しそうな内容もわかりやすく解説されています。また、動画は4種類のパターンを用意することで、違った視点から興味を持って視聴されやすいといえるでしょう。

トレインチャンネルは動画の内容と質がポイント

トレインチャンネルの効果は、動画の内容や質によっても大きく左右されます。効果の高い動画を制作するのであれば、制作実績が豊富なプロに頼むのがおすすめです。動画制作サービスCrevoでは、紹介した以外にも豊富な電車CMの制作実績があります。どのような動画を制作したいのか相談してみてはいかがでしょうか。

トレインチャンネルの制作ならCrevo

VIDEO SQUAREを運営するCrevo(クレボ)では、数多くの動画制作・映像制作にたずさわっています。国内外のクリエイターネットワークを活かし、ご依頼ごとに最適な専属チームを作ります。また、はじめての動画制作でも安心のサポート体制が整っています。動画制作・映像制作ご検討の方はぜひお問い合わせください!

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執筆者

VIDEO SQUARE編集部
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