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2017年01月15日

2016年は、動画広告が終わった年 後編

posted by VIDEO SQUARE 編集部

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前回に引き続き、2016年に話題になった動画広告とその理由を紐解いてみたいと思います。
今回は、テーマごとに3つの時事動画広告をご紹介します。

選挙 – 家にいて欲しくないから再選させて


Gerald Daugherty Campaign: “Please Re-Elect Gerald…Please!”

2016年のアメリカ政治で最も話題になったことと言えば、ドナルド•トランプ大統領当選ですが、話題になった選挙キャンペーン動画は異なるようです。
この動画は、共和党員 Gerald Daughertyによるテキサス中央南部のトラビス郡政委員再選のためのキャンペーン動画です。

趣味がなくオフィスへ行き仕事をすることもないGeraldが唯一することは問題を解決することである、という妻の語りと主に、トラビス郡の税や刑務所の問題、そしてその解決策を、夕食に招いたゲストに、また、自宅の庭でバーベキューをしながら近所の人に延々と話し、相手を退屈させている映像が流れます。

この動画が話題になった理由は、主役である夫ではなく第三者、つまり視聴者に近い妻目線で展開するストーリーが、見る者をごく自然に動画に引き込むから、と言えるでしょう。

最後に、「だから夫を再選させて、お願い。」という妻の言葉には、明らかにGeraldに家にいて欲しくないという気持ちが込められていて、思わず笑ってしまいます。
政治動画とは思えないこのユニークな作品は2016年10月公開後すぐに話題になり、既に380万ビューを獲得しています。

クリスマス – 本当に大切なものは物質ではないというスーパーマーケットのCM


#Zeitschenken – EDEKA Weihnachtswerbung

欧米におけるクリスマスシーズンとは、一年の中で消費者が最もお金を使う時期です。そのため、この時期は消費者の購買意欲を煽るようなキャンペーンを打つのが通例ですが、このドイツのスーパーマーケット”EDEKA”は毎年同じテーマで、しかしそんな通例とは異なるアプローチのクリスマスCMを展開しています。

クリスマスには家族が集うことが習慣であるため、この時期は家族全員にプレゼントを買い、ツリーを飾り、ディナーを準備し、あれもこれもと皆が忙しく奔走する時期でもあります。

しかし、クリスマスを祝う本来の意味は、家族や身近な人々の幸せを祈り命に感謝をすることです。
家族の絆を深め、愛情を確認するために本当に必要なものか何か?
素敵なクリスマスにするためだからと、物質的な事に囚われて本当に大事なものを見失っていないかを視聴者に考えさせるCMです。
こちらは2015年のEDEKAのクリスマスCMですが、2015年も、このCMを見て仕事の予定をキャンセルし家族と過ごすことに決めた人々が多数いた、と話題になりました。
本来、人々に消費させ利益を得る存在である筈のスーパーマーケットという立場にも関わらず、EDEKAはむしろ真逆のCMを打つことで、通常のスーパーマーケットの定義である「日用品を買える場所」を超えた、「家族に本当に必要なものを提供する場所」、というブランドメージを作ることに成功しました。

オリンピック- 言葉を遥かに超えて、本当に”伝わる”映像とは


UNDER ARMOUR | RULE YOURSELF | MICHAEL PHELPS

最後は、昨年最も見る人を感動させたCMのご紹介です。
2016年は4年に一度のオリンピックイヤー。スポーツメーカー各社競って優れたCMを発表していましたが、その中でもダントツ話題となったのが、このMICHAEL PHELPS(マイケル•フェルプス)をフィーチャーしたUNDER ARMOURの「RULE YOURSELF」です。
リオを最後に引退を表明していたマイケル•フェルプスがトレーニングをしている様子が延々と続くこのCMは、ナレーションがなく、映像と音楽だけでストーリーが展開され、最後に拍手の中のフェルプスと短いコピー ”It’s what you do in the dark, that put you in the light(暗闇の中での努力が、光へと導く)” で終わります。
”水の怪物” と呼ばれた彼が、どれくらい過酷なトレーニングを続けて勝ち続け今の彼であるのか、この映像を見ただけで一目瞭然であり、言葉は必要ありません。
怪物と呼ばれた彼も自分と同じように暗闇の中で苦しみもがいている、という事実を淡々と伝えている映像が、見る人の共感を呼び勇気を与え、この動画が話題になったのは明らかでしょう。

まとめ

2016年に話題になった動画広告は、従来の広告を鑑みた時に、その演出のアイデアや視点こそ斬新なものの、映像そのものはまるで自分の日常生活にそのまま出て来てもおかしくないような、むしろ地味なものが多いのが印象的でした。
また、広告主が本来販売している商品が動画内に全くと言っていい程出てこないのも特徴です。
従来の広告という言葉が持つイメージから連想されるような表現や演出は、あと数年で使われなくなるかもしれません。
動画広告のストーリー作りの本質的な部分が、時代の流れと共に大きな変化を遂げようとしているようです。2017年はどんな動画広告が話題になるのでしょうか。
今から楽しみです。

 

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