コラム

2015年04月22日

「コンテンツマーケティングは恋愛だ」 イノーバ宗像氏が語るコンテンツマーケと動画の可能性

posted by VIDEO SQUARE 編集部

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企業がマーケティング活動を行うためにさまざまな手法が存在します。

そうしたなかで今回は「コンテンツマーケティング」の先駆者である株式会社イノーバの社長・宗像淳氏に対して、同社のWeb動画を制作したCrevo株式会社の社長・柴田憲佑が「コンテンツマーケティングと動画」について聞いてきました。

事業者目線は絶対ダメ、ユーザー目線を徹底すべし

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━━まずは宗像さんと会社の紹介をお願いいたします。

宗像淳氏(以下、宗像):私たち、コンテンツマーケティングを事業とするイノーバのビジョンは「人と人を繋ぐマーケティングのインフラを作る」ことです。

昨今、ネットやソーシャルが発展して、お客様と企業が1対1でつながる機会が増えてきたと思います。それは、広告費をあまりかけられなかった中小企業、または個人にとってマーケティングの手段が増えたということでもあります。

そういった事業を応援したいというのが私たちのビジョンです。そのなかで「人と人がつながるコンテンツのマーケティング」というのを軸に、制作と運用を事業として展開しています。

次に私の自己紹介をしますと、まず新卒で富士通に入社して海外部に所属していました。大企業で働いていたのですが、当時、大企業で働く限界とか、飛び出してみたい願望が強かったです。それで退社を決心しました。

その後、2回転職して、楽天とトーチライトという会社で事業の立ち上げをやりました。そこからマーケティングの世界にズブズブと入っていき、起業して、いろいろと試しては捨てと試行錯誤していたところ、「やっぱり好きなことをやっていないと長続きしないし、成功しない」と感じ、この会社を立ち上げることになりました。

柴田憲佑(以下、柴田):マーケティングはトーチライトで学ばれたということでしょうか?

宗像:実務はトーチライトですね。MBAではマーケティングを専攻していて、統計やリサーチ分析を重点的に勉強していました。

当時面白かったのは、映画の脚本を言語解析で「どういうキーワードが入っていると売れやすいか」というのを研究していたんですよね。

映画の脚本って毎年何万本もハリウッドに持ちこまれるので、その中から売れる脚本を選ぶのはすごく大事なんです。売れると何十億、何百億という世界ですから。

今までは脚本選びを勘と経験で決めていたのですが、それを言語解析で解決しようとしているんです。例えば、「癌」「死」「殺人」といったキーワードが浮かび上がってきて、統計的に何が当たりやすいのかが出てくると。

柴田:ビッグデータとか、そういう形のものに近いですよね。ディズニー映画とかはそういう話を聞きますけど、ハリウッドもやっているんですね?

宗像:僕が通っていたのは2004年~2006年だったのですが、今ではもっと盛んになっているんじゃないですかね。

柴田:そうなんですね。現在はコンテンツマーケティングの事業をやられていますが、重要だと思ったきっかけ、または出来事はありますか?

宗像:2つあります。1つは前の会社でソーシャルメディアのマーケティングを立ち上げた時です。ソーシャルメディアマーケティングでは、コンテンツが大事なんです。

ソーシャルでのコンテンツのバイラルの仕方を見ていくと、コンテンツ性の強さが大事で、例えば芸能人とか、ゆるキャラみたいな存在が大事だという話をしていました。

当時はソーシャルメディアマーケティングをゼロから立ち上げる必要があり、ブログを書いてコンテンツマーケティングに挑戦して手応えを感じていたんです。

ソーシャルメディアマーケティングという新しいサービスをプッシュ型に売りに行こうとしても、難しくて成約率が全然上がらなかったのですが、ブログを書いてインバウンド型に切り替えたらお客様から、「ブログ読んでますよ!」という声をいただいて、非常に手応えを感じました。

その人のファン度合いがものすごく高かったんです。直接商談に入ることや、知り合いを紹介してくれる人もいるし、やってみるとお客様と業者の関係ではなくなるなと。

継続し続けることで価格競争から脱することができる

柴田:なるほど。ソーシャルで無意識に人間関係ができあがり、初めてお会いしたのに、元々知っているような感覚になれるというのは面白いですよね。

僕らも「見てますよ」って言われると嬉しいですからね。次にコンテンツマーケティングにおいて、重要なこととは何か、イノーバさんのサービスなど含めて教えてください。

宗像:お客さん目線ですと、コンテンツマーケティングが何のためにあるのか、どういう効果を狙うのかをきちんと整理することだと思っています。

2−3年前にソーシャルメディアマーケティングが流行した時も同じだと思うのですが、「Facebookが流行っているからやってみよう」と始めてみたけども、「もの売れないじゃん!」と言ってやめた会社は多いんですよね。

コンテンツマーケティングもブームになっているので、当時と似た雰囲気があります。「とりあえずやろう」みたいな雰囲気です。

ただし、コンテンツマーケティングの内容を理解し、正しく目的を設定する事が大事なんですよ。コンテンツマーケティングは、お客さんと継続的に接点を持ち、お客さんをファン化し、売上につなげていくことができます。

長く続ければ広告依存のビジネスモデルを変えることもできるはずです。広告費みたいに100万、500万使えばいい世界ではないんですよね。そこをきちんと理解して、続けられるかどうかが大きいかなと思います。

継続的にやる上で重要なのは、ベンチャーなのか、大企業なのかによって変わってくると思うんですけど、ベンチャーは自分たちでとにかく記事を作ってみて、やりながらノウハウ貯めるのが早いかなと思いますね。

こういう記事が読まれるのかとか、SEOはこういうことなのかとか、ソーシャルでのシェアとか、やっていることは色々あるので、やってみると分かるというのはあると思います。

柴田:最近、「コンテンツマーケティング=SEO」の観点が強くて……。とにかく量を出してキーワードで上げていくみたいな。量と質というところに関してはどうお考えですか?

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宗像:ネットのマーケティングにわかりやすく置き換えると、量の部分は検索エンジン対策だと思います。

どれだけきちんとキーワードを回すコンテンツを出すのかという発想なんですけど、質って「お客様をファンにする」ってことなので、コンバージョンをどう起こしてその後に定着させるかは会社によってやり方が変わってくるかなと思います。

ベンチャーだったら量に走らないとサイトのアクセスが来ないので、質もなにもないだろうと考えてるのも仕方が無い部分はあるのかもしれませんが。

大手でお金に余裕があるのであれば、ちゃんと1本コンテンツを作って、それをネイティブアドで回すとか、今あるリストに対して配信をするとか、ソーシャルをやるとか拡散にも費用をかけた方がいいですね。

必ずしもどっちかだけではないですが、量に走る危険性はあると思っています。

━━大企業はどちらかというとブランディング要素が強く、ベンチャーはどれだけ集客するかというところがポイントなんですか?

宗像:大企業の場合、例えばライオンさんだとお店で手に取ってもらう購買方法なんですよね。最終的にはネット上に呼び込むのも大事なんですけど、多くの人に商品を手に取ってもらう、手に取ってもらうためのユーザー情報を集めると。

それに対してベンチャーや中小企業は、売り上げがないと死んでしまうので、足元のお金をどうやって最短で稼ぐかということが重要です。

柴田:実際のところ、鶏卵理論でトラフィックを集めるのか、最初からいいコンテンツの質を担保して出していくのか、でもトラフィックなくて意味ないとか、そういったことですよね。

宗像:そうですね。あとは、量と質はどっちも大事という話ですよね。

コミュニティに訴求する動画の可能性とは

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柴田:コンテンツマーケティングでは、質のいいものを届けて、ファンを作ることが重要だと思っています。その中で動画というのは、比較的質を担保できる手法なのではないかと思うのですが、動画を使ったコンテンツマーケティングについては、どのようにお考えですか?

宗像:ものすごく可能性があると思います。特にコンバージョンの部分ですね。記事や写真だけよりも動画を見ると、感情も喚起されて記憶にも残るでしょうし、訴求力が違うと思うんですよね。

いつも参考にしているのが、オバマ大統領が初当選した時のキャンペーンですね。Facebookの役員を選挙対策本部に入れて、候補者と支持者の対談の動画を載せていたんです。

一番すごいのは、それまではお金持ちがお金を集めてテレビコマーシャルを打って投票させる方式だったのが、無数の人から票を集めたということなんですよね。

そのためには草の根ネットワークが必要で、ある種マルチみたいなファン度合いの高いピラミッドを一瞬で作り上げたんです。

━━コンテンツマーケティングをやりつつも、コミュニティマーケティングもやっているということですね。

宗像:その通りだと思います。間違いないです。

柴田:動画を作ってコミュニティマーケティングを行うにはどうすればいいと思いますか? 仮説などがありましたら、教えてください。

宗像企業が表に出せていない、自分たちのストーリーがあると思うんです。これって実はもっと発信していくべきことなんではないかと思っています。

例えば、僕が最初に入った富士通には僕のお気に入りの話があります。当時、コンピューターを1人で設計をしたという伝説のエンジニアがいまして、ある日、工場で火事が起こりました。

若手社員たちが「逃げなきゃ」と引き出しから図面を出したんです。図面が燃えてなくなったらいけませんからね。

その時にそのエンジニアは「大丈夫だ! 俺の頭に入っている」と言ったそうなんです。本当かどうかわかんないですけど、めちゃくちゃかっこいいじゃないですか。

こういったエピソードも、お客さんはもちろん、社内にも全く伝わっていなかったりするのですごくもったいない。

企業が持つDNAや根っこのストーリー、働いている人の想いなんかをストーリーにして伝えるのは絶対必要かなと。実はサイトのアクセス分析を見ると、意外なことに会社概要や社長のメッセージなどが読まれていたりするんですよ。

うちのウェブサイトが当初ダサかった時期ですら社長の想いを読んで、共感してくれた方もいらしたので、すごい大事かなと思いますけどね。

動画もコンテンツマーケティングもそうなんですけど、普通にお客さんと話すことの延長線上でしかないんじゃないかなと思っていて。

基本的にコンテンツマーケティングは恋愛に近いと思っています。例えば、何回かデートしていい雰囲気になったと。それで「YES」と言わせるにはどうしたらいいか。あんまり経験がないと「付き合ってください!」と、当って砕けてしまいます。

つまりコンテンツマーケティングは「相手の理解」なんですよね。ちゃんとペルソナ設定があるといいなと。

━━ちなみにペルソナを変えることはありますか?

宗像:ペルソナを見直すことはあってもいいと思います。仮説検証は必要ですよね。

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柴田:宗像さんは実際の動画制作には携わっていないと思うんですが、クレボの動画制作のプロセスとかどうでした?

宗像:聞いている話だと「すごく良かった」です。いろいろと柔軟に対応していただいて、わかりやすかったと聞いています。

たぶん、僕の想像ですけど、きちんと柴田さんが分解して、やりとりをしていただいたんですよね。情報も引き出していただいて、進めやすかったみたいです。

柴田:ありがとうございます。基本的にクレボは、動画制作が初めてのお客様がメインなので、やり方がわからない方に対して手順とかプロセスをしっかり決めていくということを意識しています。

コンサルティングではないですが、僕らで選ばせていただく形なので、そこが今回はうまくいったのかなと思います。

結果が出ないときは小さなアクションを拾い続ける

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━━先ほど、コンテンツマーケティングを恋愛に例えられていましたが、恋愛には理解が必要で、そのためには時間が必要だと思います。もし、結果が出ない時にマーケターは何をするべきですか?

宗像:いくつかありますが、まずは最初のブログみたいな入り口のトラフィックがくるまでの間は、コンテンツの良し悪しを経験のある人に見てもらう。

100万PVとかすごいアクセスが来なくても、たまたまシェアされたりだとか、何かリアクションがくるとその記事の良し悪しもわかるので、続けるモチベーションはあると思うんですよね。

また手ごたえを得る仕組みを考えるのが大事ですね。アクセスがあったり、ソーシャルフォロワーがいればいいですが、もしいない場合は先輩や知り合いに見てもらい、「こういう記事でいいと思いますか?」「こういうメディアってどう思いますか?」と、アドバイスをもらうことかなと思いますね。

━━そうですね、記事って出し続けないといけないから、本当、苦労の連続だと思いますね。最後にヒットコンテンツの作り方はご自身で確証を持たれていますか?

宗像:自分の得意ジャンルだったら100%ではないですが、ヒットコンテンツを出せている気はしています。ある程度ブログも読まれていて、ソーシャル拡散もできるので、どういうネタがいいのか僕のフォロワーに関しては反応でわかります。

外注する時はいいんでしょうけど、内製する時は誰かにアドバイスもらったりとか。出版社でもライター、エディター、デスクがいるので、誰かに見てもらってブラッシュアップする仕組みはあったほうがいいですよね。

マーケター自身が出来たらいいんですけど、それが難しい場合は専任の人を中にたてたほうがいいかなと思いますね。

━━ありがとうございました。

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お話を伺った宗像淳氏が経営する株式会社イノーバのサイトはこちらから

(取材/構成:サムライト

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