コラム

2014年10月16日

広告会社のマーケティング視点から見る、テレビとオンライン動画での差は”リーチの質”

posted by VIDEO SQUARE 編集部

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アメリカにおいては確立されつつある動画広告市場ですが、日本においてはまだ発展途上の市場になります。そうした状況下で、広告主、媒体、ソリューションベンダーといった各プレイヤーが動画広告市場に対して、どのようにアプローチをしていけば成長していくのかについて話しました。
<Ad tech tokyo 2014 Reports>

登壇者
株式会社オムニバス 代表取締役CEO 山本章悟
株式会社資生堂 室長 羽生浩一
ヤフー株式会社 MSCエグゼクティブユニットマネージャー 高田徹
株式会社デジタルインテリジェンス 取締役シニアディレクター 楳田良輝
日本アイ・ビー・エム株式会社 マーケティング&コミュニケーション コミュニケーション&ブランドエクスペリエンス 部長 山口有希子

前編はこちらから

ユーザーの40%はスマホで15分以上動画を視聴している

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山本章悟(以下、山本):では次に、メディア側の視点で高田さんからお話をいただこうと思います

高田徹(以下、高田):まずはこの映像・動画の世界はすごくポテンシャルがあると思っておりまして、もともとそのテキスト文化のメディアだったヤフーを一気に動画にシフトしようという動きを頑張っております。

今メディアへの接触時間の割合、ユーザーの方々が触れるメディアの9割がスクリーンを通してになります。なのでそこへ映像を流せるんですね。映像を流せないものが残り10%ということになります。

あとはよく、テレビとネットの対立軸を言われてしまうのですが、対立ではなくて、結局マルチスクリーンというのが当たり前にならなければいけないんだということも改めて言いたいと思います。

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マルチスクリーンは別に特別なものではなくて、当たり前なもの。これは広告出稿だけに限った話ではなくて、メディア運営をしている我々自身が意識しなければいけません。ヤフーは上の年代の方に使われているメディアなのですが、若い人向けのスマートフォンともミックスしなければなりません。

同じように、ただ年代で切っただけでもネットを主に使っている人たちと、テレビを主に使っている人たちと分かれていますから、これに基づいて当然分けるべきだと思っています。

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といったところで、今、スクリーンの上でさまざまな映像が見られています。しかも5人に1人が毎日映像を見ていて、しかも4割くらいの方が15分以上の動画の視聴をスマホでしているというのが実際にわかっています。

そのため長尺の視聴はアリですね。当然タブレットとかPCですと5割くらいなんですけど…。

山本:結構Web動画は2、3分の尺が良いと言われていますが、15分とかでも見られるんですね。

高田徹:やはりスマホだと、パッと電車のなかで見るものと、やっぱりベッドの上で見るものとでは違いますので、そのときの尺が違って当たり前というのが考え方としてはありますね。

メディアというもの自体、コンテンツを載せればそれでユーザー見てくれるかというと、そんな簡単なものではなくて、メディアとしてもやはり見せるための努力をしていかなければなりません。

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ただ、メディアが自分のメディアに投資できないから動画コンテンツが流れなくて、出稿機会がないからブランドも出稿しない…こういうのはあまりいい状況ではないと思っています。その悪循環を止めるためにヤフージャパンはやっていきたいと思います。

テレビとWeb動画の差はリーチの質の差

山本:ここからは広告主とメディアを繋ぐ存在である、広告会社のお話を楳田さんに、お伺いしたいと思います。

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楳田良輝(以下、楳田):僕らはオンライン動画を考えたときに、3つのことを大切にしています。1つ目は特定ターゲットへの到達を目指す。2つ目はその広告認知を目指す。3つ目が購入意向だとか、そういった態度変容に対する効果というものがどれくらいあるのかということです。

さっきもちょっと出てましたけど、ターゲッティングしないノンターゲッティングみたいな場合、やはりテレビのリーチというのは圧倒的ですし、単価もすごく安いんですね。ただ羽生さんも高田さんもお話されてましたけど、それ以外特定の、例えば若年層に対してのリーチというのはテレビではなく、その他に明らかに変わってくるでしょう。

リーチだけを考えた場合にテレビと比較して、オンラインが今取れている量というのはすごく少ないんですけれども、そのリーチの質の差はあると思います。そして、オンラインメディアの影響力というのは、もう少し大きくなるだろうと考えています。

また、オンライン動画広告の場合、広告とコンテンツを切り分けて考えるというのは、これからもう少し先のテーマになってくるのだと思うんです。現状、インバナーの限界みたいなことも考えたりはしていて、インバナーの性質上、どうしても静止画を何十回見せないとユーザーを取れないということがあります。

それがオンライン動画ですと数回で取れたりします。そしてリターゲッティングをしてる場合は、30回フリクエンシーが取れれば、ある程度認知の獲得ができ、単価も安いということが分かると思います。

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次に、これはカントリーファームさんからお借りしたデータなのですが、テレビで取れているリーチって言うのをオンラインでとった場合、2600万くらいのデジタルシフトの効果がありました。

大型予算でやっていたときのテレビだけで取れるリーチよりも、2000万くらい、2500万くらいお金が安く済みました。ただ、キャンペーンのメッセージというのが伝わったのかどうかというところまで踏み込んで見ていきますと、計算上では、テレビのほぼ倍額くらい使わないと、オンラインでのキーメッセージの到達度というは取れなかったりします。

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テレビとオンラインは重ね合わせていくことで効果が高くなるというのは、いろいろな調査ででているのですが、実際その僕らがコンサルトしてやろうとしているのは、同じ予算のなかで、どんなことをやっていけばいいのかということです。

動画広告市場で各プレイヤーが果たす役割

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山本:ありがとうございます。ではそろそろまとめにはいらせていただきたいと思います。日本の動画広告市場は機会はあるが、しっかりと市場が育てられていないなという話しですね。

アメリカと比べて市場規模が40倍違います。しかし、たくさんのユーザーが見ていて、延視聴時間で行くと、アメリカとそんなに変わりません。また、ブランドさんが出しやすい環境を作らなければなりません。

あとユーザーが良いコンテンツをネットで見られているのかという疑問はあります(笑)。うちの子供でもきちんと見せられるものを見せてあげたいという気持ちもありますし。

というところで、ここの本セッションで、提言としてこれを目指さなければいけないのではないかという風に考えています。

山口有希子(以下、山口):そのためには各プレイヤーそれぞれが、きちんとしたコミットや投資をやっていかないかなければ、健全なマーケットが作れないんだなというのを考えさせられました。

山本:羽生さんいかがですか。

羽生:やはり環境を整えていくことを我々もやらなければいけないとわかっていますし、やる必要性も感じてます。結構積極的に取り組んでいこうと思っています。

山本:楳田さんはいかがですか。

楳田:オンライン動画で大切なことは3つあると思っておりまして、ターゲティングの精度とクリエイティブと、それから成果の指標をどう設定するのか。この3つだと思っています。

ターゲティングはもうオンラインの特権なので、どんどん使っていこうと思っていますし、クリエイティブは誰とどうやって作っていくのかが今一番の課題だと思うので、そこをクリアしていく仕組みだとかやり方をクライアントさんと一緒に考えていきたいなというふうに思っております。

あとは、あの成果指標のところがまだまだこれからの領域だと思います。きちっと効果を見据えて、クライアントさんが投資できるようにメディアさんがいろんな投資をできるようになっていけばいいなというふうに思っています。

テレビとWeb動画のコンテンツの質

山本:では質問を最後に会場の方からとっていきたいと思います。では……本間さん(花王 デジタルトレード室長)お願いします。

本間充(以下、本間):テレビVSネットじゃないって言いつつも、最後の方になるとやっぱりテレビの悪さがあればじゃあネット使いましょうとなりますが、高田さん以外の方からすると別にテレビもやってるわけだから、テレビでターゲッティングすればいいじゃんって話にはならないんですかね。

その日米の比較論でいうとアメリカって多チャンネルになっていて、テレビの衰退という事実があって、だからネットを使わざるを得ないという事実があります。けれども日本ってテレビは思ったほど衰退していなくて、テレビの視聴時間も増えていて、ネットの視聴時間も増えています。

他の広告主サイドとか代理店サイドが日本のテレビのファンの強さをネット側のスキームで考えるというのが抜けてる気がすると思います。

高田:ネットVSテレビではないと思っています。そもそもYahooは最近めちゃめちゃテレビCM打ってますので…。

本間:それはチャンスがあることをお互いに知っているからテレビを使いますと。でもターゲッティングできません。という問題はあるでしょ。

高田:そうですね。結局、マルチスクリーン戦略だと思うんですよね。テレビを使ってそれで終わりってことはなくて、ネットを使ってそれで終わりということでもなくて。

山口:別にもちろんテレビ広告のほうでターゲティングできればそれはブランド側にとっても、よりハッピーですよ。結局ユーザーが何を見て、どう動いているかによるんだと思うんですね。

高田:それで気になったのが、ユーザーさんが見たいネット動画というものがわりと今のクオリティーで満足されているから、ユーザーが制作しているコンテンツの質も今の状態になっているということです。

それは広告主からすると「同じ場所にコンテンツを置きたくない。ブランディング的にはよろしくないコンテンツが多い」というギャップが存在しているからですね。それを解消できるのは、コンテンツクリエイターと広告主によるコンテンツの質を競争することだと思います。

山本:それでは時間がまいりました。本日はセッションにお越しいただき、誠にありがとうございました。

(編集:サムライト

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